一芸を磨いて好きなことを仕事にする。

一芸を磨けば、地方で好きなことを仕事にして生きていける。ふとそんなことを思った。

別に地方でなくてもいいけど、生活費を比較的低く抑えやすい田舎では都会ほど現金収入が必要ないことが多い。

大学を卒業したばかりの頃、いろいろなビジネスアイデアを考えていた時期があり、「一芸.com」というウェブサイトを思いついた。たいてい、誰にでもちょっとした得意なことや上手なことがある。ユーザーは自分の「一芸」を登録し、それをサービス化・商品化し、お金を対価にサービスや商品を提供したり、一芸同士を交換したりできる。自分の特技や好きなことを生かして誰かの役に立てたり、それが収入にもなれば楽しいなぁと思った。

地方では、都会に比べて人が少なく、コミュニケーションが密なことも多いので、「一芸」を生かせる機会や場面がよくある。ぼくは学生の頃からギターを弾いていて、東京暮らしではアパートの部屋で弾いてご近所さんに迷惑がられるくらいのものだったけど、香川に移住してから、イベントやラジオなどで演奏させていただく機会がでてきて、たいした技術はなくても少しでも役に立てる機会があるのはありがたいことだなぁと思った。最近はギターを習うとともに、教えるほうも始まり、一芸が少しずつ発展しつつある。

一芸を磨いて好きなことを仕事にする、といっても、一芸を磨くのはそう手っ取り早くできることではないのも事実だろうと思う。ぼくの場合、高校の頃から英語の勉強をがむしゃらに始めて、英語を仕事にして暮らしていけるようになるまでには10年以上かかった。才能や素質があれば、一芸をあっという間に飛躍させてそれで生計を立てていける場合もあると思うけれど、一芸で安定して生計を立てていくには10年くらいの期間は覚悟しておいたほうがいいのかもしれない。ぼくは英語以外にもいろんな「芸」で生計を立てていきたいと思っているけど、いろんな芸の種をたくさん蒔いてばかりで、どれも育ちがゆっくりだけど、それなりに育ってはきている。

一芸を磨いて好きなことで生計を立てていくには、計画性も大事だと思う。ぼくは計画性が無いほうで要領がわるいが、人によっては3つくらいの芸を同時に磨いて数年後にはそれを組み合わせて生計を立てていくことも可能だろう。一芸に絞るか、多芸を好むかは、人によるだろう。自分はこれだ!という一つのことがあれば迷いは少ないのかもしれない。ぼくは何でもやりたいほうなので、気をつけないと、「多芸は無芸」になってしまうおそれがある。幸い、生き方が多様化し、インターネットもある現代社会では、多芸で生きていきやすい土壌が育ってきているようにも思う。

「一芸.com」を思いついたとき、それと同時に、このウェブサイトのCMも思い浮かんだ。いろんな人が次々に登場し、「What's your 一芸?」と視聴者に問いかける。

What's your 一芸?


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by 硲 允(about me)