マスクを忘れて。


先日、お出掛け中に、周りの人がみんなマスクをしているのを見て、マスクを持ってくるのを忘れたことに気づいた。

出かけると、どこのお店もたいてい、マスクの着用にご協力ください、などと書いている。この日の前日あたりに、あるお店で、マスクをしていない客に店員が注意しているのを見かけた。さすがに追い出すことはしなかったが、「次からお願いしますね」とちょっと嫌味な感じで言っているのを見かけて、自分もこんなふうに言われたら相当腹が立つだろうと思い、お店に行くときはマスクをしようと思ったものだった。

それなのに、マスクを忘れてきた。マスクを実際に忘れてきてみて、マスクをもっていないときの落ち着かなさが予想以上であることを感じた。高松の街なかですれ違う人々は、おそらく90数%くらいの確率でマスクを着用していた。マスクをしていない自分が犯罪者のような目で見られかねない、というような雰囲気を感じて、異常な世の中になったものだと改めて感じた。

去年の今頃なら、街行く人々のほぼ全員がマスクをしている世の中なんて想像もせず、SF的なダークな未来予想図でしかなかったが、こんな世の中が現実になるとは…と、マスクした人だらけのショッピングモールを歩いているとよく思う。

マスクをせずに出歩いてなにがわるい、と思っているわけではないが、マスク着用に対する強迫観念のようなものが生み出されていくことに恐ろしさのようなものを感じることが多い。


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by 硲 允(about me)