ものを循環させる。ONKYOのミニコンポ(X-A7)復活


ONKYOのX-A7というミニコンポを高校生の頃から愛用していたが、東京から香川に引っ越す際、運送中の振動のためか、電源がつかなくなってしまった。

最近は電化製品を買うとなると、ネットで口コミを調べまくるが、当時はお店に並んでいるのを見て、自分の耳が頼りだった。おそらく何百回も聴いたスピッツの「ロビンソン」が入っているCDを持っていき、お店の展示品で再生して、音をあれこれ聴き比べて、このミニコンポの音が気に入った。同じくらいの価格帯のPanasonicやSony、Pioneerなどのミニコンポの音質は、ぼくにはちょっと安っぽく聞こえた。

このミニコンポにはずいぶんお世話になった。思い入れのあるものなので、壊れても簡単には捨てられなかった。かといって、修理を依頼するとなると、かなり高くつくようで(それで一般的には、捨ててしまって新しいものを買うようだ)、他に再生できる機器があるし、ただ家の中で眠らせていた。

捨ててしまうよりも、中古の販売屋に買い取ってもらって修理してもらい、誰かに活用してもらえたほうがいいと思い、買取業者何軒かに見積もりを依頼したこともあるが、ほとんどは買取不可だった(オーディオ専門の業者はいわゆる高級オーディオしか買い取ってくれないところも多いようだ)。それで、結局家で眠らせたままになっていた。

あるとき、ヤフオクでこのミニコンポの機種名で検索してみると、本体だけで出品されている方がいた。手持ちのスピーカーはおそらく壊れていないはずなので、それを活用できるのはうれしいし、お気に入りのこの機種で再び音楽を楽しみたいと思い、落札した。

ずいぶん久しぶりに聴くONKYOのミニコンポの音は、懐かしいものだった。今聴いてもいい音だ。

その出品者さんは、他にもONKYOのコンポをいろいろ修理して販売されていて、ぼくの壊れたミニコンポも修理して活用してくれるのではないかと思って相談してみたところ、喜んで引き取ってくれた。それが修理されて、また誰かの音楽を聴く楽しみにつながっていってもらえたらうれしい。ものは簡単に捨ててしまわず、気持ちよく循環させていきたいものだと思った。


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by 硲 允(about me)