「テレビで紹介されました」?

とある輸入食品店で商品を見てまわっていると、商品棚のポップに「テレビで紹介されました」と書かれているのが目にとまった。

どう紹介されたのかとか、何の番組で紹介されたのかとかは、全く書かれていない。

周りのお客さんたちに、「自分ら、なめられてまっせ」と言いたくなる。テレビで紹介されたから買うのか? テレビで紹介されたからスゴイのか? テレビにそんな権威があるのか…。驚き、あきれる。まさに、「テレビ教」である。テレビで放送されたのだから、買う価値がある、のだと。

テレビで紹介されたらしいソースとか海苔とかジュースとか乾物とか買うくらいならまだ害は少ないが、テレビで誰かが言っていたからといって、おかしなクスリを飲んだり、あやしい注射を打ったり、病人をつくる病院へ行ったりして病気になったり死んだりしてはたまらない。

「テレビで紹介された」というが、テレビさんという一人の信頼できる人物がいて、その人が紹介してくれたわけではなく、テレビには数多くのいろんな人間がいて、それぞれがいろんなことを言う(テレビに出てくる人間は、テレビに出して大丈夫そうな人間で、なおかつ出たい人間に限られるわけだが)。誰が言ったのかではなく、どこで言ったのかが重要らしい。テレビで言われたことは、そんなに信頼に足るのだろうか。誰かが完璧なファクトチェックをしているのだろうか。人間はいつから、そんなにテレビの言うことを信じるようになったのだろうか。我々人間よ、大丈夫か、と言いたくなる。