この夏の冷やし中華

自家製冷やし中華。

涼しい日が増えてきたけど、夏の間に一回は食べておきたいなぁ、ということになり、ようやく。

それなりに暑い日の昼で、ミニトマトとキュウリが畑で採れる日を待っていた。近所のスーパーで買ってきていたアボカドもあった。うちで仕込んだ紅生姜も出してきた。

冷やし中華といっても、中華そばは買ってこない。パスタを茹でるときに重曹を入れると中華そば風になるという魔法を使う。魔法の冷やし中華。

食べると、冷やし中華そのもの。生の白ごま(洗いごま)を直前に相方が焙烙で煎ってくれた。煎りたてのごまは香りが違う。醤油やバルサミコ酢、ごま油をミックスすればドレッシングに。

何か料理をつくるときに、それに必要なものを買い集めてくるのではなく、あるもので工夫すると新しいものが生まれる。料理初心者の頃は、お好み焼きをつくるとなるとお好み焼きソースやマヨネーズ、青のり、かつおぶし、キャベツなどを買い集めにお店に出かけたが、お好み焼きにしても、キャベツがなければ小松菜やレタスやにんじんの葉っぱ、あるいは大根など、何でもいいし、青のりやかつおぶしやマヨネーズはなくてもいいし、生地に塩を効かせればソースすら不要になる。それで十分、お好み焼きの満足感を得られることを知った。

冷やし中華の場合、中華麺(あるいはパスタの中華麺風)を冷ましさえすれば、冷やし中華の土台ができあがって、あとのアレンジは、身近にあるものでいけてしまう。といっても、キュウリとトマトは欲しかった。庭で育った青紫蘇を直前にたくさん摘んできて、千切りにして乗っけた。写真用には、具を乗せすぎると麺が見えなくなるので、控えめにした状態で撮ったけど、この後、具が山盛りになった。採れたての青紫蘇山盛りの冷やし中華は初めて食べた。アボカドを加えると、自分にとってはそれだけでなんでも贅沢すぎる料理になる。今までの人生で一番美味しい冷やし中華だと思った。