ショッピングモールの人間観察。ポイントカード男、朗読女、DVD夫婦など…

近所のショッピングモールに行くと、いろんな面白い人がいる。

山のようなポイントカードのポイントを溜めまくる男

特定の日にショッピングモールに行き、ポイントカードを機械にかざすと、ポイントがもらえるようになっている。普通、ポイントカードは一人につき一枚しかつくれないはずだが、この方は、何枚(何十枚)ものポイントカードを所有し、一枚ずつポイントをゲットし続ける。ただでポイントをもらえるといっても、この作業、時給にするといくらだろう。店内のアルバイトで稼いだほうが割がいいのでは、とつっこみたくなる。


参考書を朗読する女

フードコートの席に座り、分厚い参考書を広げ、そこに書かれた文章を読み上げ続けている。何を勉強しているのか気になるのでちらっと見ると、国家試験の勉強をしているようだ。

声に出して読み上げると、記憶に定着するとよくいわれる。それを実践しているのだろう。はっきりとした声で読み上げられ、何と書かれているか、付近の席まで聞こえる。なぜか、質問文まで読み上げているらしく、失礼ながらちょっと心配になった。


DVD鑑賞する夫婦

ショッピングモールは、夏涼しく、冬暖かく、長居しても文句を言われず、お腹がすけば食べものも売っていて、季節によっては家よりも居心地がいいので、いろんな人の別荘のようになっている。

隣同士で席に座り、小さなDVDプレーヤーの画面をのぞき込むご夫婦は、フードコートの一角を見事に自宅のようなくつろぎ空間にしていた。


数独親子

ショッピングセンターを別荘と化しても、そこでできることは限られている。ひとまずの目的は、暑さ・寒さから逃れ、時間をやり過ごすことかもしれないが、何もしないでいるのは暇すぎるので、それぞれ、何かすることを考える。

ある親子は、数独に熱中している。数独はしたことがないが、普通、一人で解くものなのだろう。親子で一緒にいても、同じ問題を一緒に解くことはなく、それぞれの本を広げて黙々と解いている。別荘での修行でかなりレベルアップしたことだろう。

小さなパソコンのような道具でキーを叩き続ける男

小さなキーボードと、小さな画面のついた機械をテーブルに置き、何かをキーボードで打ち続けている。

時々あごを手で触れ、上方を見上げて考え事をしている。繊細な皮膚は夏の暑さにこたえるようで、気分が乗らないときは、文章を書くよりも身体を掻くことにいそがしそうだ。難しい顔をキーを叩いているが、間の抜けたことを書いていることも多い。

この最後の男は自分のことである。


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by 硲 允(about me)
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