エホバの証人とは?元信者の方の漫画が気になる

時々、エホバの証人の方たちがうちを訪ねてくる。今までのところ、全員女性。入りたてのように見える若い女性の場合、お世話役(?)らしき年配の女性が一緒についてきて、斜め後ろで見守っている。

講演会のパンフレットなどを差し出される。むげに断るのも気が引けて、一応受け取るが、紙の資源をムダにしてしまう。エホバの証人の方たちは、あまりしつこく勧誘してこない。パンフレットを受け取るとすぐにお暇されることが多い。時々、イエスがどうのと熱心に語り始める方もいるが、こちらが難色を示すとすぐにお暇される。

それというのも、エホバの証人の方たちは、「争うこと」が禁止されているためのようだ。

こちらの記事で知った。

エホバの証人の元信者の方がその体験を描かれた漫画があるらしい。

エホバの証人というのがどんな宗教なのか、ほとんど知らなかったが、これらの記事にはその概要がよくまとまっていた。一部まとめると…
  • 「エホバ(ヤハウェ)」は全知全能の神(イエス・キリストはその息子であり代弁者)とされ、エホバという神以外は崇拝してはいけない
  • 教えの出典はすべて聖書
  • 教えを簡単に言うと、「いずれ来るハルマゲドン(世界の終末)の後に楽園がやってくる。楽園を支配するのはイエス・キリスト。その楽園に行けるよう現世ではエホバの教えに従って生きましょう」というもの
  • 教祖は存在せず、信者の集い、というかたちをとっている
  • 信者同士のことを「兄弟姉妹」と呼び、毎週集会を行って聖書の勉強をしたり「奉仕」と呼ばれる布教活動を行ったりする。
  • 政治活動が禁止されている
  • 争いや競争が禁止されている(「ドラゴンボール」や「ポケモン」といった、戦闘がある漫画を読むのもNG)
  • 婚前交渉は禁止
  • 偶像崇拝は禁止(国家や校歌を歌うのもNG)
  • 正社員になると奉仕の時間が十分にとれないので、就職しない人が多かった(著者の周りでは)。奉仕は時間を報告しなければならず、長く奉仕をしている人には特権が与えられる

校歌も偶像崇拝になるとは。著者によると…
ただ、校歌を歌っていけない、というのは正確ではなく、実際には「エホバの教えに従って、あなたも納得したから、歌わないのはあなたの意思ですよね?」と常に確認させられます。だから、「無理やり命令されているのではない」という論理です。

これは巧妙なやり方という感じがした。たとえ納得していなくても、その団体の中にいる限り、納得していないとは言えないだろうからねぇ…。

著者は子どもの頃からエホバの証人として生活を「強制」されていたので、それが普通だと思っていた。家では教えに反すると母親にお尻をムチ(ベルト)で打たれていた。ところが、学校で他の人の話を聞いていると、どうやら他の家ではお尻をムチで打たれていないらしいということを知る(!)。さらに、図書室でエホバの証人について書かれた本を読み、自分がおかしいと思っていたことはやっぱりおかしかったんだと気づいていく…(言論の力を改めて知らされる)。

著者はこの漫画を描いた想いについて、こう語られている。
私がこの漫画を描いたのは、決して信仰の自由やエホバの証人を否定したいわけではありません。菜食主義や政治思想などと同様に、各人がどういう主義でどういう生活をするのも自由だと思います。
ただしその家に生まれ、その生活を強制された子は、それが「普通」になってしまうということです。子どもは、親も家庭での生活も選べませんから。
親が信じるものを強制された子どもがどんな目に遭うか、この記事で紹介されている抜粋を読むだけでも痛々しいほど伝わってくる。

エホバの証人の信者は世界に約820万人、日本には約21万人いるとされている(Wikipediaによる)。これがどのような宗教なのか、ある程度は把握しておきたい。

漫画もそのうち読んでみたい。


よく宗教勧誘に来る人の家に生まれた子の話(いしい さや 著)

親は自分が信じているものを子どもにも信じさせたり強制したりすべきかどうか、よくよく考えるべきだ。どんなにいい宗教や思想であれ、「強制」はすべきではないと思う。子どもには幅広い選択肢を示し、また、自分で新たな選択肢をつくり出す力を与え、自分の意思で、自分の望む生き方ができるように育てるのが親の役目ではないかと思う。


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