和歌山市にツタヤ図書館? その問題点とは・・・

ぼくの故郷である和歌山市に「ツタヤ図書館」ができるらしい。コープ自然派から届けられたニュースレター「Table」(vol.372/ 2018年8月号)の記事を読んで初めて知った。

現在の和歌山市立図書館について真っ先に思い出すことといえば、中で勉強ができなかったこと。今はどうなっているのかわからないけれど、ぼくが学生だった頃は、自分の本や筆記用具を持ち込めず、学校や受験の勉強ができないのが不満だった。

ツタヤ図書館のことは何かの記事で写真を見たことがあるが、雰囲気が明るくおしゃれな感じで、自分のものを持ち込んで勉強もできそうだし(これが結構重要)よさそうに思うが、記事を読んでいると、いろんな問題点もあるらしい。

図書館問題研究会 大阪支部 事務局長の脇谷邦子さんが挙げられている問題点は以下。

・高層書棚の問題(ツタヤ図書館では、吹き抜けのフロアや天井まである高層書棚などの空間演出が話題になっているが、一般的な図書館では、子どもや車椅子を使用している方の手が届く低い書棚が主流)
・選書の問題(佐賀県武雄市では、埼玉ラーメンマップや風俗店の紹介本など、地域性や公共性を無視した中古本を大量に購入。神奈川県海老名市では、リニューアル後に購入した本の約半数が料理本!)
・本の分類の問題(「ライフスタイル分類」という、ツタヤ図書館独自の分類法が採用されていて、本が探しづらいという声が上がっているらしい。たとえば旧約聖書の「出エジプト記」が旅行に分類されているという!)
・個人情報管理の問題(ツタヤのレンタル用の「Tカード」を図書館利用のカードに使用しており、誰がどんな本を借りたという履歴がカード会社に蓄積される)


ツタヤ図書館ができる、というのは、多くの市民にとって、一見いいニュースだと思うけれど、そんな問題や懸念があるとは、そういう情報が伝わらなければ全くわからない。

和歌山市立図書館の指定管理者がツタヤの運営企業「カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)」に決まったとのことで、ツタヤ図書館ができるのはほぼ確実なのだろう。

コープ自然派の学習会では、子育て世代から「ツタヤ図書館ができるのが楽しみだったので、話を聞いてびっくりです」との感想が寄せられたという。

知識が増えれば、考えは変わる。正確な判断を下すには、正確な知識や情報が必要となる。そんなことを改めて思った。


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by 硲 允(about me)
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