車のAT解除と、「免許」や「資格」について徒然に。

自動車免許のAT解除をしてから約2ヶ月になる。

初めて路上でマニュアル車を運転したときは坂道でエンストしたり、ヒヤヒヤしながら運転していたが、ようやく慣れてきた。

AT解除の教習では、路上教習がなく、教習所内での練習のみで、AT解除してから実際に路上を走ってみてわかることがたくさんあった。

シフトの切り替えのタイミングについて、教習所では、ロー(1速)が10キロ、2速が20キロ、3速30キロ、4速40キロ、5速50キロ、と教わったが(ネットで調べても、だいたいそのように書かれているのを見かけた)、これはそれぞれの車のエンジンと相談しながら自分で見極めるしかなく、だからそのように大ざっぱにしか言えないのだろうと思った。

自転車の切り替えと同じように、なるべく負担なく走るためにちょうどいいタイミングというものがあり、自転車は脚に負荷を感じるのでわかりやすいが、自動車の場合はエンジン音や速度の出方などで感じる必要があり、自転車よりもわかりにくい。エンジン音なんていうのは最初はいつも同じように聞こえ、これで判断しろというのは、教習所の4時間の講習では難しいだろう。路上を何時間も走っていて、その感覚がようやくつかめてきた。

免許や資格なんていうのは、たいてい、そういうものだろう。

それを取得したからといって、実際の現場で完璧なパフォーマンスができるわけではない。とはいえ、免許や資格の制度をつくる側からすれば、最低限のところは押さえておく必要があり、ある程度のレベルまでは保証することを目指しているが、応用編となるとなかなか難しい。

ぼくの専門分野でいうと、英検1級を取得しているからといって(ちなみにぼくは準1級までしかとっていない)、必ずしも通訳や翻訳の仕事ができるわけではない。反対に、翻訳の実務をばりばりやっていても、TOEICを受けてみると点数が低い、ということもあるようだ。

資格の取得のために覚えたことなんていうのは、付け焼き刃的なところがあるので、その後、日々、その技能を活用していなければ、あっという間に忘れてしまうことが多いだろう。

「資格マニア」というような方もいるようだけど、過去にとった資格で学んだことをどれだけ覚えていて、どれだけ活かせているのだろう(記憶力のいい方なら、一度覚えたことは簡単には忘れないのだろうけれど)。

免許や資格なんていうのは、ぼくは基本的には軽く見ているほうだけど、世間でやっていくためには、どうしても必要なことや(車の免許のように)、自分の目的を果たすにはあったほうがいいこともある。

仕事の実務においては、何回か仕事をしていればその人の実力というのは自ずと明らかになるものだけど、初めての相手と仕事をする場合、その人の経歴や資格などがその人の実力を推し量るための参考とされる。資格が主に役立つのは、この場面においてだろう。あとは実力次第。資格がすごくても実際は大したことないなぁ、となるのは時間の問題である(逆も然り)。

全く初めての分野について学ぶ際、資格取得のための勉強はなかなか体系だっていて概要を学ぶにはよさそうに思うこともあるが、ぼくの場合、よほど必要に迫られないと資格取得のための勉強が続かないことがわかったので、最近は、資格には目を向けないことにしている(すぐに役立てられず、そのときにはどうでもよさそうに思えることまで勉強するのが嫌いなようだ)。反対に、資格のための勉強が好きで効率よく勉強できる、という場合は、資格を大いに役立てるのがいいかもしれない。


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by 硲 允(about me)
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