「からだにおいしい野菜の便利帳 伝統野菜・全国名物マップ」を読んで。

からだにおいしい野菜の便利帳 伝統野菜・全国名物マップ」という本を図書館で借りてきて見ていると、全国の初めて見る野菜がいろいろ載っていて面白かった。




大きいものでは15kgにもなるという、北海道の「札幌大球」というキャベツの写真を見て驚いた。ニシン漬けの材料になることが多いという。

ぼくが生まれ育った和歌山のページで気になったのが、「三宝柑」というみかん。「めずらしさ、おいしさから藩外不出であったといわれる」そうな。和歌山にいたのに、初めて聞いた。ヘタのあたりがぽこっと膨らんでいて、ぽんかんにちょっと似ている。

本には「和歌山城内に原木が1本あり」と書かれているが、ネットで調べてみると、「原木」といえるような古い木があったのは昔のことのようだ。でも、今も天守閣の入り口付近に植えられているらしい(ブログ「癒しの和歌山」より)。今度見に行ってみよう。

現在は一般的に栽培されているが、産地のほとんどは和歌山で、有田郡湯浅町栖原で育てられていることが多いらしい。

香川のページには、坂出金時、まんば、三豊なすなどが載っている。本には載っていないけれど、香川の伝統野菜には、讃岐長莢そら豆や讃岐早生白瓜にも香川に来てから出会い、うちの畑でも育てている。

本を見ていると、育ててみたい野菜が山のようにあるけれど、どれもこれも育てるのは無理だし、種類によっては簡単に交配してしまうので種を採り継ぐのもなかなか難しい。全国各地でそれぞれの産地の伝統野菜が残っていってほしいものだと思う。どこへ旅行しても同じ種類の野菜ばかりだと面白みがないが、場所によってナスでも大根でも見た目も風味も違っている、というほうが楽しい。伝統野菜を探して全国を旅したくなるような本だった(実際には自分のところの野菜のお世話でそれどころではないけれど…)。


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by 硲 允(about me)