「タカラジェンヌ」を養成する宝塚音楽学校における先輩・後輩の間での不文律について朝日新聞が報じ、話題になっているという記事を読んだ。
その不文律というのは、たとえば、
- 先輩が利用する阪急電車への一礼
- 先輩の前での決まった表情
- 先輩への過度な提出物
- 遠くの先輩に大声で挨拶
- 先輩への返事は「はい」か「いいえ」に限定
などが挙げられている。
これら全部が徹底的に守られてきたわけでもないかもしれないが、そういう感じなのだろう、というのはなんとなく想像がつく。
「体育会系」の世界では、そういうことがおうおうにしてある。
ぼくも学生時代はバスケ部に所属していて、先輩にどこかであったら後輩から挨拶、下級生の間はボールを使った練習をなかなかさせてもらえず走り込みや球拾い、シューズや練習着も下級生のうちはダサいものに限定…という感じだった。組織的ではないが、個人的にジャンケンゲームを仕掛けてきて、負けたら「肩パン」(肩をげんこつで殴る)、というのもあった。
今ならすぐに退部しているところだけど、若いときに批判精神無しにそういう環境に入ると、それが当たり前のように思ってしまうのが恐いところである。
そういう中でも、後輩を従えようとせず、同等に、友だちのように接してくれる先輩もいた。そして、部内でのそういう上下関係は、世代が下になるにつれて少しずつ薄れていったように思う。
自分がされて嫌だったことを腹いせに自分も誰かにするか、自分のところでストップさせるかが、大きな違いを生む。組織の力学で、自分が望まないことをせざるを得ないなら、そんな組織はなるべく速やかに抜け出すのが自分のためでもあり他人のためにもなることが多いだろう。
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by 硲 允(about me)