「何を食べるか」というのと同時に、「どう食べるか」というのも大事だと思う。前者については、少しずつ変えてきて最近では自分なりにある程度納得できるところまで来たけれど、「どう食べるか」についてはまだ課題が残されている。
基本的なことだけど、「よく噛むこと」、それから「腹八(七?)分目」。
いつの間にやらよく噛まずに満腹まで食べる習慣がついていて、これを改めるのに苦労している。一時、よく噛んで腹八分を実践していても、一度崩れると、すぐに元通りになってしまいやすい。
「よく噛むこと」と「腹八分」の効果は、実践してみるとはっきりと感じる。お腹に負担がかからず、身体が軽く感じるし、消化にエネルギーを浪費しないためか頭もいつもより働くようになる。それに、あまり噛まないときに比べて食事の量が半分~2/3くらいで満足し、それで栄養が足りていない感じもしない。消化・吸収がよくなるのだろう。早食いすると、胃酸が分泌され過ぎるようで、空腹時にお腹が気持ち悪くなったり痛みを感じたりすることがあるが、よく噛んで控えめに食べると、空腹状態のお腹も快適になる。
最近はよく噛んで腹八分の習慣が続いていて、これを継続させるためにさらにやる気を出そうと、図書館でこんな本(↓)を見かけて借りてきた。
「噛むこと」だけで1冊の本になるのは面白いなぁと思うけれど、それほどに「噛むこと」は奥が深く、簡単なようで実践できていない人が多いに違いない。
上の「誰も気づかなかった噛む効用」という本で、昔ながらの食事をしているナイジェリア人の歯の話が書かれていて、興味深く読んだ。主食はヤム芋、それから新鮮な野菜に、硬いトウモロコシ(茹でたり焼いたり)、肉は牧草地で放牧された牛肉で、柔らかい肉に慣れている人には硬くて歯が立たないらしい。そんな食生活をしているナイジェリア人の歯に虫歯はなく、よく噛むので歯がすり減って、高齢者の歯は歯茎の近くまで平らにすり減っているらしい(!)。さらにびっくりしたのが、高齢者は歯石が歯列の周りにべっとり沈着しているけれど、歯周病の兆候であるポケットの形成や歯槽膿漏がなく、この歯石のおかげで歯列ががっちり固められている、という話(甘いものを食べまくっている食生活でこれを真似してもあっという間に虫歯になると思うけれど…!)。
歯並びよりも噛み合わせが大事、という話もまさに!と思った(かみ合わせをよくして体調が著しく回復した事例なども紹介されている)。機能上、問題のない歯並びを見た目のためだけに矯正するケースも多いと思うけれど、歯の矯正で頭痛や肩こりやいろんな体調不良を引き起こすという話も聞くし、安易に歯並びを調整するのはリスクが大きいのではないかと思う。噛み合わせによって、噛みやすさも当然違ってくるし、よく噛むには快適で機能的な噛み合わせが重要だろうと思うけれど、噛み合わせを丁寧に調べてうまく調整してくれる歯医者さんは、これまでの経験上、そう多くはないように思う。見た目の表面的なことのほうが需要があるし(提供側につかられた需要だとは思うが)、対応も簡単なのだろう。
自分の健康を守るのは第一に自分でしかない。「よく噛む」ことと「腹八分」は誰でも今日から始められる…。
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by 硲 允(about me)