大きなサツマイモとおばちゃん

大きなサツマイモを買いものかごに入れてお店を歩いていると、横にいたおばちゃんにいきなり話しかけられた。
「まぁ、大きなサツマイモね!」
「この方のサツマイモ、おいしいですよ」
丸々と太ったサツマイモをおばちゃんは興味深そうに見ている。自分のかごにもサツマイモを入れていたらしく、取り出して見せてくれた。小ぶりなのが3本か4本、入っている。
「これは、減減って書いてるわね。そっちは無無無ね。減減ってことは、農薬を減らしてるってことよね」
おばちゃんはラベル表示を見ながらそう言った。一応、ぼくが見つけたサツマイモのありかを知らせておいた。
「これはそっちにありますよ」
おばちゃんはもう違う方を向き、ぼくとの会話から出ていった。
無農薬のサツマイモよりも、農薬を減らしている農家さんを応援したいのか、それとも、大きすぎるサツマイモは切るのが大変だと思ったのか。大きなサツマイモは見る分には興味があるけど小さいほうが美味しそうだと思ったのか。わからないけど、わからないままにしておいて一向に構わないこともある。ちょっと気になるけど。