「失敗は過程でしかない」

この頃、おやつにおかゆを食べることが多い。その分、ご飯を多めに炊いておく。

どんなおかゆにするかは、そのときの気分次第。塩気を効かせたり、梅干し入りのときもあったり、甘くしたいときはカレンツを入れたり。自家製どんぐり粉を入れても深みがでて美味しい。

フェンネルやクミンを入れた、ある日のおかゆに、ぼくは塩を振りすぎて、しょっぱいおかゆができた。一緒に食べている相方に「すんません」と謝った。豆乳ちょっと入れたら美味しいんじゃない? どうせだったら美味しく食べたほうが、と相方が提案。いつも食卓にある成分無調整豆乳をちょっとかけて混ぜてみた。インド風? どこの国かわからんけど、異国風になって、おやつ感が増した。「失敗は過程でしかないね」と、相方の名言が飛び出した。「失敗は成功のもと」、というよく似たことわざがあるけど、これよりも、失敗は単なるプロセスで、そこからすぐに次へ進んでいく感じがあっていいね、と話した。失敗は成功のもと、というと、また一からやり直すという感じも受けるけど。「人生万事、塞翁が馬」というのもあるけど、これもちょっと成り行き任せな感じで、すぐに自分で立て直していこうという積極さを感じにくい。どれがいいとか言ってるわけじゃないけど、それぞれ、ニュアンスが違う。失敗しても、というか、自分が狙っていたのと違う状態になったとしても、そこを単なる一過程だと考えて、そこから次にどうもっていくか、と考えると、案外、面白く、新しいことが生まれてくるかも。失敗をおそれると面白くなくなる。失敗、という言葉が、そもそもネガティブすぎる。想定していた、狙っていた、目指していたのと違うくなった、というだけのことで、実はそのほうがよかった、ということも多々あるに違いない。いわゆる失敗というやつをたのしんだほうが面白い。失敗は発見のもと。失敗にアイデア眠る。楽しい失敗。失敗、心配、しませんな! 失敗、いっぱい、して失敬…万事OK、お互い様。決まった正解があるから、決まった失敗がある。失敗をおそれなければ、体も頭も軽くなる。