行き来

書きたいことだけを書く、というのは、ノートに文章を書き始めた頃に書いていた書き方だ。この書き方で書くと、気持ちよく書ける。そこから逸脱すると、苦しくなったり面倒になったりする。

自分が本当に考えていることや思っていること、感じていること、気づいたこと、それらをそのままスケッチするように書き連ねる。結論は考えない。まとまりも気にしない。書き出しを工夫しない。表現を凝らない。そんな書き方。

読み手を意識して書いてばかりいると、そういう書き方から遠ざかっていく。

特定の相手に向けて書くのも楽しい。手紙がそうだ。メールがそうだ。それとは別に、相手を想定せずに書くのも楽しい。自分しか見ないノートがそれだ。最近、ノートを書く習慣を取り戻した。ノートといっても、小さなメモ帳だ。書きたいときだけ、書きたいことを好きなように書く。覚え書きのようなものが多い。

ブログの文章は世界中に公開されているので、自分のノートに書くように何でも書くわけにはいかない。ブログの書き方は、揺れ動いている。相手への意識が強まるときもあれば、なるべく弱めようとして書くときもある。です・ます調で書くと、話すときの感じに近くなるので、相手に語りかける感じが強くなる。相手への意識を弱めて書きたいときは、である調で書く。どっちで書くかは、書き始めでなんとなく決まる。

相手のことを考えすぎると疲れてくる。完全に相手不在ばかりでも、バランスが崩れてくる。ほどよい行き来がいいのだと思う。