徹夜の仕事

徹夜の仕事に懲りたのは、大学生の頃だった。当時、某テレビ局でちょっとした手伝いのアルバイトをしていた。朝や昼のシフトもあったが、徹夜のシフトもあり、あれでだいぶ体調を崩したように思う。今より若かりし頃で、健康への意識も低く、なんとも思わずに始めたが、やっぱり昼夜逆転するとガタがくる。

夜勤は夜の8時頃からのシフトだったかな…夕食を食べた後だったけど、遅くまで起きていると当然、お腹が空いてくる。社員の人と一緒に、コンビニまで歩いて買い出しに行ったのを思い出す。おむすびや菓子パン、果物のジュース、目が覚めそうな栄養ドリンク(これは朝方のとっておき)、甘いおやつなどを買った。眠たいときに甘いものを口にすると、一時的に目が覚めるのを知った(これは健康にはよくないに違いない…)。

夜寝ずに朝の4時とか5時まで起きていると、ヘンな寒気がしてくるのはなぜだろう。アナウンサーの人も、寒気がすると言ってぶるぶるしながら、原稿を読みにいった。それにしても、こんな時間にこの番組を見ている人はどれくらいいるのだろうと思った。こんなにぶるぶるしながら頑張って、伝える甲斐のあるものを伝えているようにも失礼ながら思えなかったが、まったく無意味とは思わない…そんな仕事もそれなりに必要なのかもしれない…。

徹夜で朝まで仕事をして、ようやく終えたら、近くの漫画喫茶まで歩き、そこのリクライニングシートで仮眠をとり、また今来た道を戻り、テレビ局の近くのビルで別の仕事をしていた時期もあった。さすがにフラフラで、徹夜で来たことを伝えると、そんな無理をしてはいけないと半分怒られながら心配され、徹夜明けの仕事は無しになったが、ずいぶん無理したものだった。仕事場が近かったので、徹夜明けで仮眠をとって次へ向かえば効率がいいと思ったが、自分の体へのダメージを考えると、とうてい効率がいいとは思えないが、当時は「仕事バカ」「仕事人間」のようなところがあった。

一度徹夜をすると、体内時計が正常になってきたと感じるまでに1週間弱かかった。ようやく回復したと思ったら頃に、また徹夜のシフトが入っていて、これは体への負担がきた。体力のありそうな同僚はぼくよりも平気そうに見えたが、ぼくはこんな仕事を続けていたらボロボロになってしまいそうだった。徹夜の仕事は、このバイトで終わりにしようと思った。バイトなら一時的な仕事で、辞めるのも簡単だ。長年続ける仕事で、徹夜が必要な仕事に就く前に気づいてよかったと思った。

徹夜でカラオケ、とかも学生のときは何度かしたが、遊んで徹夜するのと、仕事で徹夜するのとではまた違う。徹夜のアルバイトは、特にすることがなく待機しているような時間もかなりあり、その間、ぼくはひたすら英語の勉強をしていた。英語の本を読んだり、英単語を覚えたり。その時の勉強が、その後の仕事や自由の効く暮らしにつながっているので、あの時間は無駄だったわけではないが、徹夜の学習も学習効率がいいとは言えないだろう。早寝早起きが一番だと、今では思う。この頃は10時半までには布団に入り、朝、まだ薄暗いうちに目が覚める。ハトとともに寝起きする。それが自分には合っているようだ。フクロウ型の人もいるのかもしれないが。