料理に煩わされないための簡単野菜料理。料理開始から食事開始まで5分

料理は好きなほうやけど、毎日凝った料理をしている暇はない! 毎食違ったものをつくったり、誰かのレシピを見ながら初めての料理をつくったりしてたら、それだけで1日が終わる。それはそれで楽しいけど、他にもしたいこと、すべきこと、しないといけないことなどがいっぱいあるので、普段は超簡単料理ということになる。

超簡単料理その1。野菜グリル(エチュベ)。野菜はなんでもOK。なんでも、と言っても、その辺のスーパーで農薬の使った安い野菜をてきとうに見つくろってくる、というわけではない。買い物にちょっと時間とお金と手間がかかったとしても、健康第一、安全第一。農薬や化学肥料を使っていない、なるべく近隣で大事に育てられた野菜がいい。愛情をかけて育てられたかどうかは、野菜の姿を見るとなんとなくわかるようになってきた。はずれてることもあるやろうけど。自分で育てた野菜ならなおよし、というか、それが最強…といっても、「強い」わけではなく、最も安心で美味しい。

フライパン(鋳物のフライパンがおすすめ)にオリーブオイルかひまわり油をひき、弱火にかけ、場合によってはクミンシードをテンパリングしたあと、玉ねぎなど火の通りにくい野菜から乗せていくが、時間に余裕がなければ、底のほうに火の通りにくいもの、上のほうは葉物などそれほど火を通す必要のないものを乗せ、野菜の水分が少なくて焦げ付きそうなら少し水を入れて、フタをする。言い忘れてたけど、塩をかける。かけすぎると後から取り返しがつかないので、ちょっと控えめくらいに。中火で10分くらい。だいぶ火が通ってきたら、弱火にしてまた10分くらい。弱火でじっくり、がポイント。野菜の旨味が引き出される。火が通ったら、塩や、場合によっては醤油や醤油麹などで味付け。何をかけるかは、野菜の種類や、一口味見してみたときの直感による。これは塩だけで充分や!となることが多い。

この超簡単料理は、毎日、毎食食べ続けても、飽きたことがない。毎回、野菜の種類や組み合わせが変わる、というのもあるかもしれないけど、基本的に野菜そのものの味だから、という理由が大きいようにも思う。お米を毎食食べ続けて飽きる人は少ないのと似たようなものかもしれない。お米はお米でも、毎食同じ味付けの炊き込みごはんなら飽きるかもしれない。シンプルな味付けだと飽きがこない。

鋳物のフライパンでつくったエチュベは、できあがってから皿に盛らず、フライパンを食卓に置いてそこから直接取って食べたほうが美味しい。冷めにくいし、洗う皿も減る。野菜によっては、たくさん水分が出て、最後に野菜の出汁たっぷりのスープが残る。これに豆乳を加えれば、ポタージュのような味わいになる、という裏技もあるけど、これはお客さんには出せないなぁと、やる度に思う。自分で食べるならOK。ミシュラン5つ星のスープ(飲んだことないけど)に勝るんちゃうかと思うくらいの美味しさ。

その時々の野菜の種類によって、準備にかかる時間は違ってくるけど、下準備に時間がかかる泥付きの菊芋とかでなければ、あっという間に切り終わり、5分か遅くても10分くらいで準備完了。ご飯を茶碗に盛り、まずはお米だけで食べ始めつつ、その横で調理を開始する。うちは食卓にカセットコンロを置いているので、食べながら調理しやすい。お米だけで食べると、お米の風味をよく味わおうとするので、よく噛むことになっていい。お米を食べ終えた頃に火が通っているので、次に野菜料理を食べる。同じ茶碗で食べるので、洗い物は茶碗と箸と、フライパンのみ。


超簡単料理その2。季節の野菜のスープ。寒い時期は、基本的にこれの連続。土鍋を使うのがポイント。土鍋にオリーブオイルかひまわり油を引いて火にかけ、グリルのときと同じく、お好みで香辛料をテンパリングし、山盛りにいろんな野菜を入れる。焦げ付きが心配なときは、少し水も入れておく。塩をさっとかけておく。カボチャやサツマイモなど、煮崩れが心配な野菜は塩をまぶしておき、途中で入れる。だいたい火が通った頃に、水を入れ、味付けに必要な量の塩の7割くらいを入れる。火が通ったら、塩や醤油、味噌などで味付け。このときも、まず味見してみて、何を加えるかを決めるが、野菜の旨味がでていて、それを味わいたいので、味噌などの濃い味のものを足すのがもったいなくなり、結局塩だけになることが多く、なかなか味噌が減らない。

これは大きな土鍋で野菜があふれるくらい盛り盛りにつくるので、一度つくれば、何食も食べ続けられる。毎回火にかけるので、夏でも常温保存で日をまたいでもOK。

野菜スープのときは、食事にしようと思ってから一口目を食べだすまでに5分もかからない。茶碗にご飯をよそい、土鍋をカセットコンロにかけたらご飯から食べ始める。ご飯を食べ終わる頃にスープがぬくもっている。

こんな超簡単料理で大満足できるんだから、時間や手間のかかる料理をやろうと思うことがあまりなくなってきた。一時はいろんな料理を試して楽しんでいたけど、美味しすぎるものをつくると食べ過ぎたり、クセになったり、次々違うものを食べたくなったり、困ったことも起きてくる。たまには手の混んだ料理も楽しいし幸せ気分を味わえたりするけど、平時は超簡単料理がいい。食事にわずらわされなくて済む。簡単やけど、毎食が楽しみなほど美味しい。これ以上はやり過ぎだという気がしてくる。他人から見れば気の毒な食生活に見えるかもしれないし、実際、いきなりこんな料理の連続に切り替えたら満足感を得られない場合も多いように思う。ちょっとずつシンプルになり、だいぶシンプルになってきた。お弁当を持って出かけるときも、これを琺瑯のタッパーや保温ジャーに入れるだけ。おむすびと。エチュベのときは、いつもより多めに野菜を切って朝食のときに多めにつくって詰めればいいし、スープのときは何食分もつくっているので、保温ジャーに入れるだけ。あっという間にお弁当ができるので、外出のフットワークも軽くなる。おむすびを琺瑯に入れるときは、底に青じその葉っぱを敷き、おむすびにも巻いておくと美味しさがアップすることがわかり、最近は必ずそうしている。青じその季節が終わったら、他の葉っぱに切り替えよう。タッパーを使わず、葉っぱでおむすびを巻いて、その上から手ぬぐいを巻いておくだけのこともある。こうすると持ち運びも軽い。