『有機農業という最高の仕事: 食べものも、家も、地域も、つくります』(関塚学 著)を読んで。

『有機農業という最高の仕事: 食べものも、家も、地域も、つくります』(関塚 学 著)という本を読みました。



著者の関塚学さんは、有機農家(野菜と米、平飼い自然卵の三本柱)であり、日本の伝統的な竹小舞、土壁の家をハーフビルドで建て、栃木県佐野市秋山町という過疎化と高齢化が進む中山間地域で地区ぐるみの獣害対策も行うとともに、地元の方たちと一緒に「あきやま有機農村未来塾」を立ち上げて地酒(日本酒やヤマブドウワイン)をつくったり茶摘みイベントを行ったりと地域おこしもされたり、幅広く活動されています。

そんなあれこれの体験談や役立つお話が惜しみなく紹介されていて、読んでいて面白く元気が出てくる本でした。

この本で関塚さんが伝えたいメッセージを一言で記せば、「有機農業的な価値観で生きることは、とてつもなく素晴らしい」とのこと。有機農業といっても、単なる農業の技術のことではなく、暮らしや生き方の土台となっている考え方が、そもそも有機農業的な価値観に基づいているとのことで、それが具体的には、ハーフビルドされた伝統的な家、食生活、自然エネルギーの利用、健康法、地域での暮らしなどに表れているように思いました。

家づくりや健康法などでどんな本が役立ったかや、情報収集や勉強はどのようにしているなど、実践する上で役立つ具体的な情報もいろいろと紹介されていて、あちこち付箋をつけながら読みました。こういう暮らしは身体が資本…これだけの幅広い活動を同時にしながら実践されてきた健康法は説得力があります。今まで存じ上げなかったのですが、少食健康法を提唱された甲田光雄さんという方の本をさっそく2冊注文しました。




「有機農業的」な生き方を実践し始めた方や、そういう生き方や暮らしに興味のある方におすすめの本です。ぼくもそういう一人で、出会えてよかった一冊です。

全体にわたって、関塚さんの勉強熱心さや、情報収集術、集めた情報をカタチにしていく力に感銘を受け、見倣いたいものだと思いました。


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by 硲 允(about me)