「小さい農業で稼ぐコツ」(西田栄喜)読みました。小さな農家が増えたら楽しい世の中になりそう。

小さい農業で稼ぐコツ 加工・直売・幸せ家族農業で30a1200万円(西田栄喜)」という本を、環境活動家の田中優さんがメルマガで知り、近所の本屋で見つけて買いました。




今年から畑で育った野菜の販売を少しずつ始めてみようかと思っており、そのための勉強に。

著者の西田栄喜さん(通称「源さん」)は、バーテンダー、ホテルマンを経た後、「風来」という名で農家をされています。石川県で農業を営む源さんの畑の耕地面積は30アール(一般的な農家の10分の1くらいらしい)で、その小さな畑にして、野菜や加工品の直売で年間1200万円の売上(収益は600万円)を上げられているそうです。

源さんは、小さい農業だからこそ独自性を持ち生き残れる道があるとし、「ミニマム主義」(ミニマム=最小、最小限の)を提唱されています。

小さい農業のメリットとして、例えばこういうことを挙げられています。


  • 面積や規模を制限することによって、土地活用や時間の効率がアップする
  • 大きな機械を買う必要がないので借金する必要がない
  • 地域の人間関係も小さいのでスムーズになる
  • 病虫害などのリスクが集中せず、小回りがきくので、天候などのリスクにも強い
  • 多量他品目農業は飽きない
  • 忙しさに振り回されない


最初から無農薬栽培をされ、途中から「炭素循環農法」を実践されているとのこと。

小さな畑でも効率よく野菜を育てるテクニックや、加工品の作り方(レシピまで載せています)や、加工品をつくるための機器や免許、野菜や加工品を販売する方法や、お客さんや農家仲間とつながる工夫など、実体験にもとづくヒントがいろいろ紹介されていて、読んでいるといろいろやってみたくなります。

加工品の免許については、前から気になりつつわからずにいたので、まとまった情報が載っていて勉強になりました。

小さい農業を営むための一連の手順や具体的な方法が一冊にまとまっていて、これから農業を始める人や、野菜や加工品の販売を検討している人には、とても参考になる本だと思います。

こんなにいろいろなことを明かしてしまっていいのだろうか、と思うくらいですが、そこが小さい農業の強みなのでしょう。

こうした小さい農家がたくさん現れたところで、パイを奪い合うことにはなりにくいのだと思います。それに、小さい農家には「個性」が出ます。作物の味や姿には、不思議と育てている人の個性が反映されているように感じます。個性豊かな小さな農家が日本中のあちこちに生まれたら、楽しいことになりそうです。ぼくの周りでも、そういう人が増えてきています。