何かから逃げないことよりも、何に逃げるかが大事



人間というのは、「しないほうがいいと思うことをしたり、したほうがいいと思うことをしないでいると、ますます意欲が衰えてくる」ものではないかと思います。

するべきだと自分で思っていることがあるのに、しないほうがいいと思うことに逃げるとダブルパンチです。納期が近づいている仕事があるのに、SNSをだらだら見たり…。さすがにしばらく逃げていると、「これはヤバいと」と仕事に戻るわけですが、そんなことを繰り返しているうちにムダな時間が増えて、一日の終わりには、その日の効率のわるさに嫌になります。逃げつづけて、いよいよ間に合わない、というときがくるまで、すべきことに手を付けられないこともあります。

とはいえ、したほうがいいこと、すべきことが目の前にあるのに、どうしても気が乗らないときは、逃げるならいっそのこと、「しないほうがいいと思うこと」ではなく、「他のすべきこと」に逃げるのがいいのではないかと思いました。

特に、脳や身体の違った部分を刺激する活動がよさそうです。デスクワークから逃げるなら、掃除や片付け。身体を動かす仕事から逃げるなら、締切のあるパソコン仕事。逃げたとはいえ、別のすべきことをしているので、それを終えたときは達成感があります。そうすると、意欲がわいてきて、本来すべきことに手をつけやすくなります。

いろいろやることがあって忙しいときのほうが、いろんなことが捗ることがあります。これも同じことかもしれません。すべきことがたくさんあると、「しないほうがいいこと」に逃げている時間がありません。どういう順番でどれをいつやろう、と計画を立て、効率よく済ませていくことを考えます。一つ終えるごとに達成感があるので、やる気が衰えてきにくい。寝る前に、一日でよくこれだけのことができたなぁと思える日は、気持ちのいいものです。忙しさも適度であることが大事で、あまりに忙しいとやり残したり時間に間に合わなかったりして、気持ちが沈んでしまいます。それから、「自分がしたいこと」「すべきこと」ではなく、自分では大事に思えないけど他人の都合で仕方なくしなければいけないことをしていても、なかなか意欲は高まってきません。

とはいえ、何かから逃げている時間があるということは、自分の時間に余裕があるということです。その時間で、自分が本当にやりたいことができるはず。それは何だろう? と考えてみて、小さなことでも何でも、手帳か何かに書き出しておくといいかもしれません。何かから逃げるときは、ついつい手近なものに逃げがちですが、もっといい逃げ道があるかもしれません。