横向きに埋没した親知らずを抜歯した(してもらった)話。

主食は玄米に季節の野菜をなるべく生のまま、おやつは硬い干しイモや煎餅…という感じの食生活だったら親知らずがちゃんと生えてくるのかもしれないけど、最近の世の中の一般的な食事というのはほとんど噛まなくても飲み込めるような、歯や顎を怠けさせるようなものが多く、ちゃんと機能する親知らずが生えている人は少数派ではないかと思います。

多分に漏れず、ぼくの親知らずも、下の両側は横向きに生えてきて歯茎の中に埋まったままでした。レントゲンで見ると横の歯を押しているように見え、歯が倒れてこないか心配になり、やっぱり、だんだん押されて全体的にちょっと斜めに倒れてきました。そのうち、親知らずに接した歯を治療する必要が出てきて、親知らずも抜いたほうがいい、ということになりました。

片方の親知らずはかかりつけの歯科医で抜いてもらうことができましたが、もう一方は、深いところにあって、味覚に関する神経が近いから、口腔外科でないと難しい、とのことでした。口腔外科、というのは、そういうときに活躍するのか。口腔外科というと、高校生の頃、寝ている間にアゴが外れ、救急外来で大きな病院に車でかけつけたものの、当直の先生では直せず、別の病院に行き、しばらく待ったあと、こうくう外科の先生が来てくれてあっという間に直してくれました。当時、「こうくう外科」と聞いて、なぜか「航空外科」だと思いこみました。治療が飛行機並みに素早かったから、なおさら「口腔」という漢字が出てこなかったのかもしれません。

とにかく、深くもぐった親知らずは、「口腔」外科で抜いてもらう必要があります。

大学病院や大きな病院に紹介してもらえる、とのことだったのですが、病院のホームページを見ると、どこもどんよりとした雰囲気で、どうしようかと気分が沈みました。「ホームページ見てみたんですけど、ここにお願いしたい、と思えるところがなくて…。時間がかかったり大変だったりしてもいいんで、先生にお願いするのは無理ですか?」と口腔外科ではないかかりつけの先生に訴えてみたところ、最近開業したばかりの個人の歯科医院(口腔外科もあり)に紹介することもできると言ってくれて、そこの歯科医院のウェブサイトに載っている先生の写真も見せてくれました。病院にありがちな「どんより」ではなく、明るくて自信のある感じで、この先生ならぜひとも、ということですぐに決めました。

紹介してもらった歯科医院には、3Dで撮影できるレントゲンを撮ってもらい、先生は説明が丁寧で患者さん一人ひとりを人間として見ているのが伝わってきて(そうじゃないお医者さんが多い!)、安心して治療を受けることができました。

深い場所にある親知らずの抜歯は、「抜く」というよりも「取り出す」「掘り出す」という感じです。お世話になった先生は、なるべく歯茎の切開を少なくして、早く回復する方法で治療してくれたそうで、治りも早かったです。病院によっては「こんなに切るの?」という場合もあるそうなので、どこで治療を受けるかはよくよく考えたほうがよさそうです。


【関連記事】

by 硲 允(about me)