何を食べるか


何を食べると健康によいか、というのは、知識をいくら集めてもなかなか難しいところがある。

最近、漢方の本をいろいろ読んでいて、いろいろ気になる漢方薬があったが、途中で何が何やらわからなくなってきた。漢方の世界では、上薬、中薬、下薬という言葉があるらしい。上薬というのは、効き目は劇的ではないが副作用の心配が少ないもの。下薬は効き目は著しいが副作用も大きいもの。中薬はその中間。

薬ではなく食事で治すお医者さんが一番格上、という話も聞いたことがある。

漢方薬を処方した際の症例をいろいろ読んでいると、普段の食事や生活を変えなくてもこんなに効き目があるものかと驚いた。それだけの効き目がある一方で、なんらかの副作用のリスクもあるのかもしれない。また、気になっていた症状が一旦おさまっても、普段の食事や生活を根本から変えない限り、また同じ症状が戻ってきやすかったり、薬をやめたらまた症状があらわれた、という場合もあるだろうと思う。

結局は、一食一食、普段の食事が大事なのだろう。ぼくはむちゃくちゃな食生活をしていた頃から食事を変えてまだ10年にも満たないと思うが、身体のいろんな不具合が少しずつなくなっていき、元気を取り戻してきた。まだ気になるところがいろいろあるが、このまま食事や普段の暮らしに気をつけていけば、すべて改善していくだろう思えるくらい、これまでにいろいろよくなっていった。

慢性的な小さな不調は、病院に行ってもどうしようもない。お腹がずっと痛くて内科にいってもバカにされただけだったし、不整脈で胸に違和感があって24時間ホルダーのようなものを心臓につけて検査しても異常なしと判断されたし、あせも(アトピー)は病院のクスリで悪化しただけだった。

身体にとって有害なものを入れず、すでに入れてしまった有害なものを排出すれば、いろんな不調は改善していくものだと身をもって学んだ。ぼくの場合、排出するのに運動(畑仕事など)が必要で、骨法にも大いに助けられた。

身体に有害なもの、といっても、人によって考えが違うが、ぼくの場合、農薬、放射性物質、遺伝子組み換え食品、食品添加物をはじめ、動物性食品も食べると体調がわるくなるので、最近の食は野菜と穀物と豆やナッツ、フルーツ、時々キノコ、という感じになった。前は慢性的にいろんな不調があったので、有害なものを食べても体調の悪化を感じることが少なかったが、最近はテキメンに感じるにようになり、ますます食べられるもの(食べたいもの)が限定されてきた。外出中は不便を感じることもあるけれど、家で普段の暮らしをしているときにはそれでまったく問題を感じない。なにを食べても特に症状がでなくてどんな食事でも楽しめる人を時々うらやましく思うこともあるが、長い目で見れば、どっちがいいのかわからない。なんでも美味しく食べられる、というのもいいなぁとは思うけれど、自分で育てた野菜を食べたときに感じる深い喜びや満足感は、ほかに代えがたいものがある。


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by 硲 允(about me)