無農薬・無肥料で育ったニンジン |
「類は友を呼ぶ」で、ぼくの周りには農薬を気にしている人が多いですが、世間全体ではどうなんだろうと思うことがあり、グリーンピース・ジャパンがこの春に興味深い調査を発表していました。
「有機農産物と農薬に関する消費者意識調査 ~小売店は消費者ニーズを先取りできるか?」という調査(2016年3月発表)で、委託を受けた楽天リサーチ株式会社が全国の20代から60代の男女1000人を調査対象としています。
まず、有機野菜を買う頻度はこれくらい。
意外だったのは、「有機野菜に対する印象」で、「環境にやさしい」が28.6%もあること。ぼくは自分で野菜をつくり始めるまでは、「健康によい」(56.7%)、「安全」(58.0%)、「おいしい」(24.7%)にばかり目がいっていましたが、想像力や農業への理解のある方が多いようです。
有機野菜を買う場所は、スーパーが多い(79.5%)らしいのですが、スーパーでの有機野菜の品ぞろえが「どちらかというと十分でない」(51.1%)、「十分でない」(16.0%)という不満を抱えているようです。「興味はあるけど近所で買える場所がない」から有機野菜を買わない(18.4%)方もけっこういます。
有機野菜を買わない理由として、「興味はあるけど価格が高い」を挙げている人が半数以上(59.2%)。その一方で、身近なスーパーで普通の野菜と有機野菜があれば、どのくらいの値段(価格差)なら有機野菜を選ぶ?と聞かれて、1割高くても買うという人が41.3%もいて、「同額」(28.0%)、「2割高い」(23.9%)、「3割高い」(6.8%)となっています。
そして、「身近なスーパーの有機野菜の品揃えがより豊富になったら、有機野菜を買いたい?」という質問では、大半の人が「どちらかといえば買いたい」(54.5%)と回答しています。
有機野菜を求めている方がこんなにいるとは、意外な調査結果でした。
それに、食べものの見た目よりも本質を重視する人が多いことも、この調査で浮き彫りになっています。
この説明と写真を見た上で、お米に黒い斑点があっても、農薬をかけない方がいいと大半の人が回答しています。
また、下の写真のような虫食い野菜や形の整っていない野菜を買うことに抵抗がありますか?と聞かれての回答はこちら。
ここまでひどい状態になっていなくても、ちょっと虫食いや形の不揃いがあると現状では店頭に並ばないことが多いですが、こんな様子でも、「価格によっては購入する」(43.9%)、「抵抗はない」(35.9%)という結果には驚きました。
グリーンピース・ジャパンはその後、小売店による有機農産物の取り扱いに関する調査結果『Go オーガニックランキング ~消費者が求める食の安全と生態系農業への小売店の責任』(2016年5月)を発表し、イオンやイトーヨーカ堂、生協などの取り組み状況を紹介したうえで、次のことを小売店に求めています。
- 2020年までに半分以上の農産物に有機商品を導入するという方針を立てて公表する
- ミツバチや子どもの安全のために、まずはほうれん草と米について、ネオニコチノイド系農薬を使用していない商品に順次切り替える(ほうれん草 2016年末、米 2018年末)
ほうれん草については、残留農薬の基準が2015年5月に大幅に緩和され、わずか40グラム食べるだけで子どもが急性中毒を起こしかねない値が認められているとのこと。ほうれん草には要注意です。
ちなみに、うちの近所のイオン綾川店には、さぬき「こだわり市」というところから届く無農薬(あるいは減農薬)野菜のコーナーがあります。時期によっては無農薬の野菜の品数が少なく、やっぱり品揃えはよくありません。
グリーンピース・ジャパンでは、スーパーや生協に、有機食品の品ぞろえを増やすように求める署名も集めているので、先ほど署名しました。(署名はこちらから)
近い将来、大手スーパーでも有機食品がたくさん並ぶ日が来るのではないかと思います。
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