ものわかりのいいアシナガバチと掃除しに来たアリの話

ぼくは都会で生まれ育ったので、ここ最近まで虫は全般的に苦手でしたが、畑を始めてからは虫に慣れてきて、ちょっとずつ親しんできました。

香川に移住して1年目は、家の横にある倉庫の中にアシナガバチが巣を作りたがりました。畑仕事の道具を取りに入るときに困るような位置につくるので、火を焚いて煙で追い払い、そのすきに作りかけの巣を撤去したりしたのですが、またすぐに倉庫の中に作ろうとしました。

ところが、3年目の今年は、不思議なことに、アシナガバチが倉庫の中に1度も巣を作ろうとしません。ぼくらが引っ越してくる前から、毎年そこに作っていたのかもしれませんが(何年も空き家になっていました)、家に新たな住人がやって来て、ここに作ったら困るのだと覚えたのかもしれません。

今年は、庭に植えたけど枯れてしまったお茶の木の下のほうに巣を作っています。


周りの草を刈ると、けっこう丸見えになってしまいましたが、そこで大丈夫でしょうか?

時々、「そこはないやろ!」というような場所に巣を作ろうとしていることがあり、そういうときはたいてい一匹しか見かけません。ハチの仲間たちも、「そこはないやろ!」と思って協力しないのかもしれません。

昨日から、居間のじゅうたんの上をアリがよく歩いています。


写真ではちょっと見づらいですが、真ん中で、アリが「Colussi(コルッシ)」のクラッカーの食べかすを運んでいます。

「あいつ、またコルッシのクラッカーをこぼしまくってるぞー」と、大喜びの様子でした。

自分がこぼしたクラッカーを外に運んで掃除してくれている姿を見ると、退治する気にはなれません。今日は何十匹も現れて大掃除です。


こんな大きなクラッカーも、引きずるようにして縁側の方に運んでいきました。

「がんばれ、がんばれ」と相方も応援しています。

パスタ(乾いたままの状態)や死んだ蛾の羽も運んでいきました。去年は、家の中で死んでしまったクモも解体して、脚などを残してほとんど全部運んでいき、クモまで食べるとはびっくりしました。

床に落ちた食べものを全部運び終わったら、そのうちいなくなるので、アリがたくさん現れたからといって退治するのではなく、ありがたく掃除をお任せするのがよさそうです。