2019年を振り返る。


2020年も2日目となりました。1月2日の日の出が結構好きです。世間の報道では初日の出ばかりありがたがっている感じだけど、太陽はそんなことお構いなしに毎日昇ってくれてるんだなぁと。毎朝を元旦のような清々しい気持ちで迎えたいものです。

1年の振り返りはその年のうちにしたいものですが、年明けに2019年の振り返りです。

田畑と共にある暮らしは淡々としたものですが、2019年の自分にとって大きな出来事といえば、「骨法」を始めたことと、野菜の販売を始めたこと。それから、パーマカルチャーセンター上籾(岡山)で約1週間の自然建築ワークショップに参加してきたのもの大きなイベントでした。

松縄骨法院で治療を受けて自分の身体と心がだいぶラクになり、その後、ホネホネ先生に弟子入りし、他人への施術もできるようになりました。今までにいろんな療法を受けてきましたが、自分も施術ができるようになりたいと思ったのは骨法がはじめてです。400年前の紀州の忍者が生み出した骨法…和歌山で生まれ、香川で出会ったのは、不思議な縁を感じずにはいられません。

香川での野菜づくりは今年で7年目。無農薬・無肥料・不耕起栽培でやってきました。肥料や堆肥などを全く使わないと、最初は育つ野菜が限られていて、畑は野菜の栽培というよりも草刈り道場でしたが、2019年から野菜の種類によっては完全植物性・無農薬のバーク堆肥を使うようになって、育つ野菜が急に増えました。夏頃からはうちで食べきれないくらいに育ち、普段食べる野菜はほとんど畑で収穫できるようになりました(珍しい野菜を見つけたり、友人・知人の野菜の応援で買うことはありますが)。野菜やお米は、もともと販売するつもりはなく自給用、と考えていましたが、高松の自然食品店「ちろりん村」さんとのご縁で、2019年の9月末から販売させていただくことになりました。自分たちで食べるなら、葉っぱを虫にたくさん食べられていようと、形が暴れていようと問題ないですが、売るとなると、また違ってきます。でも、それによって観察が細かくなったり深まったり、ちゃんと育てようという気合が入ったり、お店やお客さんとの関係ができたりいろんなご縁やつながりが生まれたり、楽しい展開になってきました。12月には野菜料理の試食会もはじめて行いました。ぼくは一度自分で害してきた身体の健康回復を野菜たちに助けてもらってきたし、野菜の美味しさを知ってからは毎食の喜びが全然違ってきたり、食の変化によって人生が好転したので、野菜の販売を通じて、自分が得たものをいろいろ伝えていけたらなぁと思っています。

今は街からちょっと離れた、まずまず静かな平地で暮らしていますが、ゆくゆくは山でもっとのびのびと自由に暮らしたいと思っています。土や木や自然素材で、できればセルフビルドで家を建てられたらいいなぁと前から思い描いていて、だけど、どうすればできるようになるのか見当もつかずにいたときに数年前に出会ったのが、「コブハウス」という長い歴史のある建築手法です。その技術に関する知識が途絶えていたのを掘り起こし、仲間たちとアメリカや世界各地でコブハウス建築のプロジェクトを行ったり教えたりされているMichael G. Smithさんがなんと、香川からすぐ近くの岡山まで来てワークショップをされる、ということで、即決で申し込んで参加してきました。Michaelさんの著書「The Hand-Sculpted House: A Philosophical and Practical Guide to Building a Cob Cottage」をそれまでに(途中まで)読んでいたのですが、やっぱり、本で勉強するのと、実地で学ぶのとは大違いで、多くの学びがあり、現地にある木や土、粘土、岩、石、藁などを使って家を建てるイメージがだいぶ具体的になってきました。いきなり自分で家を建てるのは難しいですが、まずは土ともっと仲良くなるために、パン窯をつくってみたいと思っています。

学生の頃は、よく目標を立てて、それに向かって努力する、というスタイルでしたが、最近は、目標の期限などをあまり細かく立てなくなりました。将来、どういう暮らしをしたいか、どういう自分になりたいか、日々何をして生きていきたいか…そういうことを思い描くのは大事だと思いますが、窮屈に目標を立てすぎると、気持ちがせせこましくなってきがちなので。未来のビジョンに向かって進んでいくのも大事ですが、今この瞬間の自分がどうあるか、ということが置き去りになると本末転倒で、結局のところ、未来といっても、今この瞬間の連続の先にあるもので、その未来も、その時がくれば今この瞬間なので、今を大事にし続けることが人生を充実させることになるのだろうと思っています。今をなるべく楽しく、心穏やかに、他人への思いやりも忘れずにいれば、いいように巡っていくような気がしています。一年は短いようで案外長くもあり、年初には到底思い描けなかったようなことも起こるのが面白いところです。

2020年、誰もが喜びの多い年になりますように。


【関連記事】

by 硲 允(about me)