凍った野菜


毎朝、起きたらなるべくすぐに外に出るようにしている。新鮮な空気を吸い、朝日を浴びるとあっという間に目が覚める。ちょっとだけでも庭仕事をすると、身体が一日、よく動くモードになる。

でも、冬の朝は寒すぎるので、ちょっとだけ外に出て家に逃げ帰ることが多い…


野菜たちも朝は霜がおりて凍っている。


ある日、昼の食体験イベントで野菜を料理に使うので、早朝に野菜を収穫すると、カチカチに凍っていてびっくりした。


冬の朝は野菜が氷のようにカチコチになっているとは、知らなかった。収穫する手が真っ赤になって、感覚がなくなっていった。


一度氷のようになっても、日が昇るとそのうち溶けて、何事もなかったかのようにしている。野菜の逞しさを感じた。


冬でも温室でぬくぬくと育てると、野菜たちはあっという間に大きくなるだろうけれど、この寒さに耐えてゆっくりと育った野菜たちが一味も何味も違うのは当然のことだろう。


温度差の激しい路地で寒さに耐えながらゆっくりと育った野菜たちは、食べると味がぎゅっと詰まっていて、自然な甘さに驚かされることが多い。


自分で野菜を育てるようになってからは、買うときも、その野菜がどんな環境でどのように育ったのかを想像するようになった。

なるべく自然な環境で育った野菜は、自然な美味しさがあり、食べると身体の底のほうから喜びと満足感が感じられる。そんな野菜を毎食食べられるだけで、毎日幸せな気分になれる。健康の心配もなくなってくる。


去年から野菜の販売を始め、ますます面白くなってきた。今年も野菜と共にある暮らしが静かに始まった。


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by 硲 允(about me)