修行的籾摺り


去年育ったお米をなかなか籾摺りできずにいましたが、ようやく! 非電化工房の「非電化籾摺機II」を使っています(この道具について詳しくはこちらの記事に書いています)。

お米の籾摺りは、電動の機械を使うとあっという間ですが、手動だとなかなか根気の要る作業です。


レバーをぐるぐる回すと、籾すりされたお米が下の透明のケースの中に落ちてきます(外れた籾殻は風で飛ばされて後ろのネットに入ります)。上の写真は、1回ぐるぐるした後の様子。籾の外れたお米もありますが、外れかかったものや、まだ籾つきのものや、籾殻も混ざっています。これを何度も繰り返す必要があります。


2回目でこの状態。まだ籾殻がたくさん見えます。最初の2回はぐるぐる回すのにある程度力が必要で、籾殻が外れるにつれて、だんだん軽やかに回るようになってきます。


3回目を終えました。だいぶ白っぽくなってきました。


4回目終了。この道具で日常的にお米の籾摺りをしている人は世界にどれくらいいるのだろう…。相当時間に余裕がないと、毎日は厳しいものがあります(ぼくも余裕のあるときにしかできません)。


5回目終わり。


6回目終わり。もう少しです!


7回目終了! 近くでよく見て、籾殻がほぼ外れていることを確認します。


アップで。残りの作業は、手作業です。


ふるいがあると便利。ふるうと、籾殻は軽いので一箇所に集まります。


白っぽかったり黒かったりして硬そうなお米や、籾殻を指でつまんで除いていきます。


人工的な緑色の着色がついたお米も。籾すり機に通すときに、どこかで付着するのかもしれません。


ようやく完了!


相方と二人で作業して、約2時間で4合半。この道具を手に入れる前は、木で擦り合わせて脱穀したことがありますが、その場合は3合籾摺りするのに半日くらいかかったので、それに比べるとかなりスピードアップですが、結構肩の凝る大変な作業です。

食養の世界で有名な東城百合子さんが、梅肉エキスをつくると人間的深みが増す、と本に書かれていたのをこの作業をしながら思い出しました。たしかに、こういう作業は浮ついた気持ちではできず、心が静まってきます。気の遠くなるような、根気の要る作業ですが、修行だと思えば、なかなか生産的な修行かもしれません。


【関連記事】

by 硲 允(about me)