「2019年を振り返る」という記事を書きましたが、2019年に自分がちょっと進歩したことの一つは、情報のインプットの仕方だという気がしています。
今の時代、本やネットなどで莫大な量の情報が手に入り、SNSにアクセスすれば絶えず新しい情報が流れてきますが、どんな情報を得て、それをどう自分の日々の暮らしで活用していくか…。どんな情報でもそれなりに役立つことがありますが、情報のインプットに時間をかけすぎては、「自分のこと」をする時間がどんどん減ってしまいます。
自分の「中心軸」をしっかり握っていないと、情報に流されてなんとなく時間が過ぎて、自分が実現したいことになかなか近づいていかない、ということがよくあります。
すきま時間になんとなくSNSを見ている時間を1年分合計すると、けっこうな時間になるだろうと思います。すきま時間にできることは限られていますが、そのできることのなかで、自分にとって何がベストなのか考え、実行することの積み重ねは案外大きいような気がしています。
本を一冊、丁寧に読むとなると、ページ数の多いものだと何時間もかかります。世の中、面白そうで知りたいこと、勉強しておいたほうがよさそうなことが書かれた本が山のようにありますが、その時間を費やす意義があるか、よく考えてみないと、気の向くままに情報をインプットし続けていると、時間を使い過ぎてしまいます。その情報を自分の日々の活動でどう役立てていくか、自分が今一番知りたいことは何なのか、一番確かな情報を得るにはどういう方法が最適なのか、その情報を今すぐに知る必要があるのか… 情報を得る前や得る過程で、なんとなくではなくいろいろ考えてみないと、ムダが多くなりがちです。
野菜を育てるにしても、本を10冊読んで栽培方法をしっかり勉強して、失敗ないように確かな情報を得てから始めよう、なんて思っていると、いつまで経っても種を蒔く時が来ないでしょう…!それよりも、必要最低限の情報を得て、さっさと蒔いてしまったほうが次に進めます。この場合、必要最低限の情報といえば、適した時期と、蒔くときの種同士の間隔くらいでしょうか。その植物がどのくらいの大きさに育つかイメージがわけば、種の間隔は自ずとわかりますし、普段移動するついでによその畑を観察していれば、なんの種をいつ頃蒔けばいいのかなんとなくわかるし、特に専門的な情報は必要ありません。
蒔いた種が芽を出し、次第に大きくなり、混み合ってくれば、事前の知識がなくても、間引いたほうがよさそうだ、ということが見ればわかります。どうしようか迷ったときは、自分の感覚や勘を頼りにすれば、その結果が出て事実から学んでいけるし、失敗をなるべく避けたいときは、その時々で必要な情報をピンポイントで得たほうが効率がいいこともあります。
以前は情報のインプットばかりして、「自分のこと」がなかなか進んでいかないことがよくありましたが、自然相手の活動をすることが増え、それでは追いつかないし目に見えて何も進まないので、まずはやってみる、ということが増えてきました。必要なときに得た情報はすぐに役立てられるし、自分で実行したことは、なかなか忘れません。情報や知識がないと、自分の頭で考えざるを得なくなり、一度自分で考えてから得た情報も忘れにくくなります。一般的な学校教育のように、自分がその段階では必要と感じていないしどう活用したらいいのかわからないような情報を詰め込まれるとつまらないし頭も心も重苦しくなってきますが、自分が必要性を感じる段階で情報を受取ると、その情報を発信してくれている相手への感謝も生まれてきます。
その一方で、自分が今すぐ必要だと感じない情報でも、思わなぬところで後から役立つことがありますし、自分には関係ないと思っていたことが案外自分の暮らしにつながっていたり、自分の暮らしや活動からは遠そうな情報がインスピレーションを与えてくれたりすることもあるので、視野は広く、というのも大事にしたいと思っています。年を重ねても、どんな話題にも興味を示してしっかり耳を傾けてくれる人と話していると、こういうふうになりたいものだなぁと思わされます。
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by 硲 允(about me)