『見てる、知ってる、考えてる』(中島芭旺 著)を読んで。

『見てる、知ってる、考えてる』(中島芭旺 著)という本を読みました。



中島さんは2005年生まれで、この本が刊行されたときは10歳だったそうです。小学校に通わずに自宅学習をし、好きな人に会いに行って学びたいことを「ワクワク優先」で学んでいるとのことで、そんな学び方、いいなぁ、と思います。

学校でいじめられたり、家族のことで苦しい時期を乗り越えてきたり、大変なことも多かったようですが、自分のあり方を変えることで自信満々に今を楽しめるようになったらしく、それまでの自分の経験を本にしたくて自分から出版社に連絡し、そこからこの本の出版につながったそうです。

この本を読むと、中島さんが自分の頭でよく考え、考えるだけではなく勇気を出していろんなことを行動に移してこられたのが伝わってきます。

10歳の頃の自分を振り返ってみると、自分の頭でほとんど思考することなく、与えられた環境の枠内で無難にサバイブし、周りの常識や価値観を何ら疑うことなく日々を過ごしていたように思いますが、この年齢の頃から自分の頭でいろいろ考えていると、一般的な学校に通うという選択肢を選ばないのは当然のことのように思えます。

中島さんはこう書いています。

「子供は大人に従いなさい」なんて言ってる大人がいることが驚きで、そんな先生がいるのが驚き。
同じ人間なのに。(p.42)

ほんとにそのとおりだと思います。先生が生徒(学生)をコントロールしたり言うことを聞かせたり、そういう学校は今にして思えば異常な環境だと思います。中島さんはそれを見事に言語化していますが、そういうことを薄々(あるいは、はっきりと)感じている人はけっこういると思います。反抗心を抱えながら嫌々学校に通っていたり、それをもろに発散すると問題児扱いされたり「不良」というレッテルを貼られたりするわけですが、正常な感覚だと思います。

学ぶことへの情熱や意欲の薄れた大人が子どもに学ぶことを強要するのは暴力でしかないし、人生の喜びを感じていない大人が子どもの人生をいい方向に導けるはずがありません。

子どもが自分に本当に必要なことをワクワクしながら学び、人間として成長しながらこの世での仕事や様々な活動を楽しんでいけるように、大人はもっとまともなシステムを用意していく責任があると思います。

その時代の一般的なシステムを子どもが気に入らなければ、別の選択肢を提示したり選ばせたりすることも大人にできる役割だろうと思います。

中島さんの下の文章もいいなぁと思いました。

絶対にできない事なんてない。
1回だけやって絶対無理だというのはおかしいと思う。
1度もやらずに絶対無理だというのはもっとおかしい。
何度も挑戦して無理だったら工夫をしてみる。
それを繰り返せば絶対にできる。
成功するまでやる。
成功するまで。





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by 硲 允(about me)