『スマホ脳』(アンデシュ・ハンセン 著、久山葉子 訳)を読んで。

『スマホ脳』(アンデシュ・ハンセン 著、久山葉子 訳)という本をパラパラ拾い読み…面白く読んだ。



ぼくはスマホをもたず、昔ながらのパカパカケータイ(フィーチャーフォン、蔑称ガラケーとも呼ばれる)を使い続けているけれど、デジタルとの付き合い方は、日々、課題ではある。

帯に書かれた「スティーブ・ジョブズはわが子になぜiPadを触らせなかったのか?」という一文に目を引かれた。

本文を読むと、記者がスティーブ・ジョブズに対し質問したところ、iPadは家でそばに置くことすらせず、子どもには、iPadの使用時間を厳しく制限したという。ビル・ゲイツも、子どもが14歳になるまでスマホを与えなかったらしい。デジタル端末に精通した人たちは、それが子どもに与え得る悪影響もよくわかっていたのだろう。

毎日スクリーンを長時間見て過ごす人は幸福感が低い、ということも書かれていて、体感的にその通りだと思う。インターネットやデジタル機器は、自分の目的に応じてほどほどに使うなら便利なものだけど、一日中画面を見て過ごしたような日は、気持ちが鬱々としてきて、幸福感や生きる喜びがしぼんでいく感じがする。

スマホを持っていて、使うのを我慢しているだけでも脳のエネルギーが奪われる、という話があった。一度中毒になると大変だ。SNSにしても、気になるけど見ないようにしているだけで結構疲れる。

インターネット検索などに情報や知識を頼っていると、自分の脳に記憶しようとせず、情報や知識の場所情報だけ記憶して済ませるようになるので記憶力が低下するという話も頷ける。これは油断するとそうなるので、常々気をつけてはいるけれど、頭を怠けさせてしまいやすい。

なかなか読み応えのある本で、スマホやデジタルとの付き合い方を考えるうえで、参考になるところが多かった。