令和は「一億総アーティスト」の時代?森永卓郎さんのインタビュー記事を読んで

NHK Newsのインタビュー記事『森永卓郎さん「とてつもない大転落」』を興味深く読みました。

森永さん曰く、平成は「転落と格差」の時代だったと。日本の経済成長が鈍化したのは、人口減少や高齢化のせいだと言う人がいてそれを多くの国民が信じているけど、構造改革によるものだと。つまり、日本の会社が海外、あるいはハゲタカのものになり、労働分配率が今や世界最低水準になったと。

平成の前半と後半では格差の拡大要因が異なり、前半は正社員がどんどんリストラされて非正社員になっていき格差が広がり、これは今でも進んでいるが、その一方で、平成の後半で起きた格差拡大とは、富裕層がとてつもなく増えたという形での格差拡大だといいいます。

昭和の時代の富裕層は、なにか事業をして新しいものを生み出し、実業でお金持ちになってたけれど、今の富裕層のほとんどは、お金にお金を稼がせてとんでもないお金持ちになる人たちだそうです。

平成の次の時代の予測については、
人間がやる仕事は、人工知能やロボットにはできない仕事にならざるをえず、そんな中で、何をしたらいいのかっていうと、私はみんながアーティストになる。アーティストって画家とか音楽家とかっていう狭い意味ではなくて、みずからのその感性だとか、能力とかをうりにするクリエイティブな仕事、コミュニケーションの中で働くような仕事っていうのを私はアート、それをする人はアーティストって呼んでるんですけれども。 
と話されています。

「1億総アーティストの時代」になり、人工知能やロボットがどんどん発展していくと、嫌な仕事や定型的な仕事、つらい仕事、危険な仕事はすべて人工知能やロボットがやってくれるようになるといいます。

「アーティスト」というと、特別な才能がないとなれないような響きがありますが、要するに、「楽しいお仕事」をすればいいんだという話のようです。
別にその音楽とかそういうのだけにかぎる必要は全然なくてね。私、去年1年間、群馬県の昭和村というところで農業やったんですけど、ものすごい楽しいですよ。みんなが農業をやるっていうのもクリエイティブな仕事だし、ようするに楽しいお仕事をすればいいんだと、私は思うんです。つらい仕事は人工知能とロボットやってねっていう社会になるべきだし、そうなると思っています。


なかなか自分の能力などに自信が持てない人もたくさんいると思いますが…という質問に対して、「それはやってないからなんだと思うんですよ」と回答されています。

今まではそんな余力がなかった。ようするに生きていくために働かないといけなくて、働いても疲れちゃって、好き勝手やるような時間が持てなかったんだと思うんです。 

同感で、ぼくも東京から香川に移住して時間に余裕が生まれてから、できること、したいことがどんどん増えてきました。

簡単なところから始めたらいいそうです。森永さんはいろいろ収集されるのがお好きだそうで、ペットボトルのふたを集めているそうです(!)。
とりあえずペットボトルのふた集めてみなさいってよく言うんです。給湯室とかにいっぱい置いてあるじゃないですかふただけ。あれ持ってきて、机に並べて分類して、整理するとすごく美しいんです。その美しさにはまった人たちが日本に数十人いて、いちばん多い人は今、2万種類ぐらいあるんです。 

たしかに、こういうところから、子どもの頃の純粋な楽しみ方を思い出せそう。
私は人生をよく考えるべきだと思っています。3つしか人生のコースはないと思っていて、ハゲタカになるか、資本のしもべになるか、アーティストになるか。どこに自分の幸せを見いだすかっていうのを、きちんと見極めて人生設計をするべきだと思います。 

ほうほう…。ハゲタカはイヤだなー。森永さんが見てきたハゲタカの皆さんは、いつも不安で目が泳いでいて怖くて怖くてしかたがないんだそうです。お金を持てば持つほど失うのが怖くなるので…。それは本末転倒。

資本のしもべもイヤやね。

ビッグアーティストになる必要はないので、自分なりの楽しみをいろいろ見つけて、人生をエンジョイするアーティストを目指したいと思います。


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by 硲 允(about me)