by English Literature / searingheat |
高校生の頃に英語の勉強が好きになり、大学で英語を専攻し、在学中から翻訳の仕事を初めて、そろそろ10年になります。
大学を卒業してからは、仕事が勉強なので、参考書を読んで勉強することがなくなりましたが、高校から大学までは、よさそうだと思った参考書を手あたり次第に買ってがむしゃらに勉強しました。その間出会った本で、おすすめのものをご紹介します。
●ロイヤル英文法
言語の基本は、文法と語彙。文法さえわかれば、辞書を引き引き文章が読めるようになるので、あとの勉強がスムーズです。
文法を基礎から一通りしっかり勉強するには、「ロイヤル英文法―徹底例解」 がおすすめです。ぼくはもともと、文法用語が嫌いで、通っていた塾でも文法用語をなるべく使わずに教わりました。ところが、大学に入って、文法用語が分からないと授業に付いていけないので、ロイヤル英文法で勉強しました。高校の授業では別の文法書を使っていたのですが、こっちのほうが網羅的で気に入りました。
●英文法解説
ロイヤル英文法で基礎をマスターしたあと、さらに深入りしたければ、「英文法解説(江川 泰一郎)」がおすすめ。これは大学の英文法の授業で使った本で、文法をだいたい分かったつもりになっていましたが、これを読むと、まだまだ甘かったことがわかりました。簡潔でわかりやすく解説してくれています。
●速読英単語シリーズ
英単語は、「文脈で覚える派」と「単語帳で覚える派」に分かれますが、ぼくは「文脈で覚える派」でした。
長文読解や文法問題で知らない単語やフレーズが出てきたら、ノートに書き写して(その単語が含まれる一文も)、辞書で発音や訳や例文なども調べてそれも書き写し、何度も見直して覚えていました。
とはいえ、単語の参考書も使わないと、受験で必要な単語が抜け落ちているかもしれないと心配で、文脈で単語を覚えられる参考書(速読英単語シリーズ)を使いました。
速読英単語1必修編[改訂第6版]
速読英単語2上級編[改訂第4版]
速読英熟語
これは長文(といってもそれほど長くないですが)が載っていて、覚えるべき単語がピックアップされて訳などが書かれているので、文脈の中で単語が学べます。CDも付いていて、勉強した長文を音声で聴いて、その中の単語や熟語を覚えているかをさっと確認できるのもいいです。
●DUO 3.0
英単語を勉強するときに長文を読みたくない、という方もいると思います。
そこで、おすすめなのがDUO 3.0。こちらは、長文ではなく、560本の例文から「重要」だとされる単語1600語と熟語1000語を勉強できる本です。
DUO 3.0
この本もCDが付いていて、その音声が英語の参考書としてはやけに気持ちがこもっていて好きでした(気持ちがこもっているほうが覚えやすいような気がします)。You stink. Take a shower.(臭いから、シャワーを浴びて)というような例文が妙に印象に残っています。本当に臭そうでした。
●英語の発音がよくなる本
発音は受験ではあまり問われませんが、ぼくはもともと英語の発音が好きで英語が好きになったので、高校生の頃から本を読んで発音の訓練をしました。
英語の発音の入門書はその後いろいろ出版されているようで、どれがいいのかよくわかりませんが、ぼくが最初に読んだのは「英語の発音がよくなる本(巽 一朗)」だったと思います。
DVDも付いていて、口の形や舌の位置を映像で確認できるのもいいです(当時はDVDはなかったような・・・)。大学の卒業論文は、どんな参考書で勉強すると英語の発音の学習効果が高いか、というテーマを選び、その結果、舌の位置を図でわかりやすく示しているものがよいということがわかりました。
●英語音声学入門
英語の発音をさらに専門的に勉強するなら、「英語音声学入門(竹林 滋、斎藤 弘子)」がおすすめです(ちなみにぼくはこの本の著者の斎藤先生のゼミで学びました)。
入門用のテキストには載っていないようなことがいろいろ書かれていて、これを読みながら発音の練習をしっかりすれば、自分の発音にだいぶ自信が持てるようになるのではないかと思います。
●英語リスニング・クリニック
英語のリスニングは、聞き取れないものを聞き流していても、なかなか聞き取れるようにはなれず、ある程度体系的に耳を訓練する必要があると思います。
「英語リスニング・クリニック」は、通訳者を養成するためのメソッドを応用して生み出された学習法で、通訳者を養成する現場で効果が実証されてきた方法なので信頼できます。
英語リスニング・クリニック―Diagnoses and remedies (初診者コース)(篠田 顕子、水野 的、石黒 弓美子、新崎 隆子)
英語リスニング・クリニック(篠田 顕子、水野 的、石黒 弓美子、新崎 隆子)
●眠った英語を呼び覚ます―DLS英語学習法のすすめ
大学に入るまで、英語を話す機会はほとんどありませんでしたが、大学生の頃、ESS(英語研究会)に入って英語でディスカッションやディベートをしたり、通訳の勉強をしたりして、話す訓練を始めました。
英語で誰かと話すのはいい練習になりますが、そういう機会がなかなかなくても、家で一人でスピーキングの練習をすることもできます。
そのときにおすすめの本が、「眠った英語を呼び覚ます―DLS英語学習法のすすめ(新崎隆子)」です。通訳訓練法をもとに開発された学習法で、文章を丸ごと覚えて話したり、耳で聞いた英語を要約して口に出したりといった練習法が紹介されています。読んだり聞いたりしたらわかる語彙(passive vocabulary)よりも、書いたり話したりできる語彙(active vocabulary)のほうが少ないものですが、こういう練習をしていると、自分で使える表現が増えていきます。
ほかにも助けられてきた本はいろいろありますが、紹介しきれないので今回はここまでです。
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