「先生の言うことをよく聞きなさいよ」はもう時代遅れ?

2013.06.16 新潟 幼稚園の運動会 応援


幼稚園や保育園(所)に通っていた頃の記憶、あるでしょうか?

ぼくは幼稚園の頃のことはほとんど思い出せないのですが、断片的に強く印象に残っていることはいくつかあります。

そのうちの一つは、「だれにだっておたんじょうび」という歌です。「1月生まれー?」と先生が言い、1月に生まれた人は手を挙げて「はーい!」と言います。「2月生まれー?」と続いていくわけですが、ぼくは「はーい!」というのが恥ずかしくて嫌で、8月生まれくらいまで来たときにはほとんどのクラスメイトが既に「はーい!」をやり終えていて、「もしかしたら10月は自分一人かも・・・!」と絶望的になりました。

「10月生まれー?」

ぼくは手を挙げず、知らん振りをしてやり過ごしました。

先生はそれに気づいたらしく、「はざまくん、手を挙げなかったでしょう!」と怒られました。

なんでこんな幼稚なことをやらされないといけないんだろう、と幼稚園児ながらに感じていたようです(「幼稚」という言葉は知らなかったと思いますが)。

とにかく、幼稚園のときから、小学校に入ってもずっと、やりたくないことまでやらされて、それを上手にできると褒められて、やらないと怒られます。

人間、やりたいことだけをやっていられたらハッピーかもしれませんが、やりたいことには、どうしても、気の乗らないことも一緒に付いてくるものです。やりたいことをやるために、あまりやりたくないこともやらざるを得ない、というわけですが、幼稚園や学校のクラスでは、「はい、これをやりましょう(やりなさい)」と言われて、それをやりたいかどうかを考える暇もなくやらされるので、そもそも、自分が何をやりたいのかすらわからなくなってしまうことすらあります。

言われたことは何でも上手にできるけど、何でも好きなことをやっていいよ、と言われたら、特にやりたいことはない、というのではつまらなのではないかと思います。

やらされたことを上手にできたら、褒められるし、周りにもおっと思われるので、それがうれしくてやる、というのでは、モチベーションを他人の行動や気持ちに任せてしまっていることになります。それで楽しかったりうれしかったりしたら、それはそれでハッピーなのかもしれませんが、やっぱり「他人任せ」なので、そういうハッピーはどこか脆い気がします。

親が子を幼稚園や学校に送り出すときに、「先生の言うことをよく聞きなさいよ」という定番(?)のセリフ。「モンスターペアレント」なんていうのは増えてきていると聞くし、今どきそんなことを言う親は減ってきているのではないかと思いますが、それよりももっと大事なのは、

  • 「やりたくないことをうまくやらずに済ませる方法を学んできなさいよ」
  • 「やりたいことを見つけてきなさいよ」
  • 「先生の言うことを鵜呑みにせずに自分で考えなさいよ」
  • 「先生の言うことで納得のいかないことがあったらちゃんと話してきなさいよ」

というようなことではないかと思います。


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