高知県梼原町訪問記。環境に配慮した林業に取り組む梼原町森林組合へ。

先月、国産材住宅推進協会のバスツアーで、高知県梼原町に行ってきました。

梼原町の面積の91%は森林。「梼原町」と書かれた標識をバスが通過し、車窓から景色を眺めていると、右も左も林で、その数字と景色が合致しました。

最初に訪れたのは、梼原町森林組合。



ここは団体として日本で始めてFSCの森林認証を得ています。FSC森林認証とは、

熱帯雨林の破壊など森林環境に関する関心が高まるなかで、適切な森林管理を行うことが求められています。
こうした中、国際的な審査機関である森林管理協議会(FSC:本部ドイツ)では、環境に配慮した適切な森林管理を進めるため、環境団体、木材関係者などと協議し、適切な森林管理に関する原則と規準をつくるとともに、こうした森林を認証し、また、認証した森林から生産される木材にFSCマークをつけ販売することで製品の信頼性を保証する仕組みを作っています。(ゆすはら町森林組合ウェブサイトより)
というものです。


伐採された運ばれた木が、奥に見える木材選別機でサイズごとに分類されます。



おがくずは、木質ペレットの燃料となります。


曲がっていたり腐っていたり、虫食いがあったりして木材製品として利用するのが難しい木が大量に積まれていて、こちらもペレットの材料となります。


こうしたペレットは、町の施設に設置されたペレットストーブの燃料となり、農業用ビニールハウスの温風機にも活用されているようです。

梼原町で育った木は、町の建物の建材として美しく活用されていました。

「雲の上の温泉」のわたり廊下

「まちの駅ゆすはら」

梼原町総合庁舎

梼原町は、2050年に二酸化炭素量の吸収量が排出量を上回る町になることを目指し、次の宣言を行って取り組みを進めているそうです。(参考資料「梼原町環境モデル都市行動計画」

  • 私たちは、良好な生物生存環境が維持され清浄なる「空気と水」を生み続ける「資源循環型の生活様式で成り立った低炭素社会」をつくります。
  • 私たちは、「地球は、将来世代からの借り物であり、将来世代が安心して暮らせるか否かは、我々の行動にかかっている。」という認識を忘れることなく、自然の生態系に配慮した「資源循環と地域活力の持続とが調和した低炭素社会」をつくります。
  • 私たちは、「エネルギーの構造変革と地域内自給により、自立する地域社会としての低炭素社会」をつくります。

見学した木造のモデル住宅の前を流れる小川ではウナギが釣れると聞きました。川を眺めていると、地元の人が歩いてきて、「どこから来たん?」と親しげな笑顔で話し掛けられました。町の雰囲気が明るく活気があり、楽しそうな人が多いのが印象的でした。