「蜘蛛ちゃん、それお外で産んでよー」
台所から相方の話し声が聞こえてきました。話している相手は、お腹に白いマカロンのような卵を抱いた蜘蛛さんです。
古民家には蜘蛛が現れます。現れるどころか、一緒に暮らしているという感じです。
最初の頃、あんまり大きな蜘蛛が近くまで来るとちょっとこわかったのですが、だんだん慣れてきました。
ぼくが床を張っているいるのを、蜘蛛さんは少し離れたところで見ていました。「よくその距離でこわくないね〜」と相方が言いました。
あるとき、頭の上に何かが「ポン」と着地しました。このときはびっくりして、「お〜」と声を上げました。
着地したのは蜘蛛さんで、ぼくの脚の上でもう一回跳ねて、ぴょんぴょんと遠ざかっていきました。驚かそうとしたのか、単に近づきたかったのか。
蜘蛛さんは人なつこいです。でも、人間にこわがられていることも知っているようです。どのくらいまでなら近づいてもこわがられないか、わかっているようです。いつも、微妙な距離まで近づいてきて、そこでじっと様子を見ています。こちらが気を許すと、急に突進してくることもあります。
寒くなると、だんだん家の中で蜘蛛さんを見掛けなくなります。もっとあったかいところへ行ったんかなぁと、ちょっと寂しくなります。春になると、また蜘蛛さんが部屋に戻ってきます。ちょっとうれしくなります。
・・・・
家の中にいる蜘蛛と、畑でよく見掛ける蜘蛛はまた違っています。
「クモハンドブック」という本もありました。
蜘蛛ばかり見ているとちょっとおそろしくなってきそうな気もしますが、蜘蛛のことにもっと詳しくなったら楽しそうです。
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by 硲 允(about me)
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