手づくりの服の心地よさは虫にもわかる? 機械と道具と手仕事と

服の着心地で、一日の疲れが違います。

相方の手づくりのズボンの履き心地がよく、そればかり履いています。

最近、新作をつくってくれました。



たまたま通りかかった大阪の布屋さんで選んだ布です。

手づくりの衣類は、自分で素材を選べるのも楽しみの一つです。

ミシンを使わず、一針一針、手縫いです。手で作ったものには、独特の味わいがあります。機械を使っても、心を込めてつくればそれが宿ると思いますが。カンボジアで伝統的な草木染めの技術を守ってこられた森本喜久男さんが無印良品での講演会で、「機械を道具にする」という話をされていたのを思い出しました。機械は人間が使わなければただの機械ですが、人間が使いながら馴染ませていくことで「道具」になる、というようなお話でした。

当時、なるべく機械のお世話にならないようにしようとしていた頃でしたが、そのお話を聞いてから、機械をはなから毛嫌いするのではなく、機械との「つき合い方」が大事なのだと思うようになりました。

とはいえ、まずは「人間」ありきで、人間の「手」ありきです。「機械」を「道具」にするのは人間の心であり、人間の手(や足など)です。

機械を使わない手仕事は、その原点を思い出すことのできる仕事でしょう。ぼくらのつくっている手製本にしても、手とアナログな道具だけで作っていると、穏やかでゆっくりとした時間が流れます。

今朝、出掛ける前、庭から相方の驚いた声が聞こえました。「あなた、カンガルーみたいにそんなところに」


バッタもここが心地よかったのでしょうか。



【関連記事】