AERA 2/15号の「全人格労働という過酷」を読んで。逃げ出せないものか…

Workers in a NY Sweatshop, Oil on Canvas, painted by Soshana, 1944


AERAの2016年2月15日号で、「全人格労働という過酷」と題された記事を読みました。

会社で酷い目に遭っている方の例が次々に出てきて、事実かどうか疑いたくなるほどの話もありました。営業先の担当者に強引に関係をもたされた女性の話や、土下座して謝罪したうえに頭を踏みつけられてその様子を写真に撮られた男性の話、職場で自分の子どもくらいの年齢の正社員に「お前」呼ばわりされ「もの扱い」されている派遣社員の話など…。

「自分だったらすぐ辞めるのに」と思える人は、恵まれた環境にいる人でしょう。そういうぼくもかなり恵まれた環境にいる一人です。とはいえ、いっときは社員が次々に辞めていくブラック企業に近いような会社で少しだけ働いていたこともあり、人生のときどきの選択によっては、人間、どういう状況に陥るかわかりません。

酷い目に遭わされながらも会社を辞められないのは、それぞれに辞められない事情があるのでしょう。「そんな事情があっても自分なら辞める」と思う人もいるでしょうが、そういう事情の渦中にある人は、そうでない人とは心理状況が全く異なるのだと想像します。

とはいえ、辞めてもどうにかなりそうだ、という道が用意されていれば、辞められる人は増えるかもしれません。

辞められない事情というのは人それぞれ、いろいろだと思いますが、お金に困るという人が多いのではないかと思います。

もしぼくが、ブラック企業に入ってしまって、毎日酷い目に遭わされていて、貯金もない状態だったらどうするか…?

恵まれた環境にいる今の自分だからできる判断かもしれませんが、すぐに辞めて、とりあえず田舎の家賃の安い家やシェアハウスに引っ越します。できれば畑付きがいいですね。今お借りしている家は、田畑付きで家賃は月1万円です。すぐに自給自足は難しいですが、お米や野菜を育て、近所に生えるタケノコやイタドリなどの野草を食べ、なるべく電気を使わず(うちは二人暮らしで電気代が月に500円台です)、外で火を焚いて調理して暮らし、最大限節約して暮らせば、週に何日かアルバイトで働くだけで生きていけます。(奨学金の返済などがあればもっと働く必要がありますが)

他人から屈辱的な扱いを受けながら生きていくくらいなら、何のあてもなくても仕事を辞めてホームレスからスタートしようと、今のぼくは思ってしまいますが、いざそういう状況に陥ってしまうと、そんなふうに考える気力もなくなってしまうのかもしれません。

とにかく、「逃げるが勝ち」です。そんな会社からは逃げ出して田舎に移住すれば何とでもなる(あんまり山奥だと、それはそれで人付き合いが大変ですが)のに、と思ってしまいます。酷いことをする人はする人で、酷い目に遭ってきたか、いろんな鬱憤がたまっているのでしょう。世の中の不条理から、みんなで逃げ出そう!



AERA(アエラ) 2016年 2/15増大号 [雑誌]