「刺身」や「たたき」の語源、知っていますか?


先日、高松の「農場レストラン 温故知新」で刺身を食べながら、なんで「刺身」と呼ぶんだろうとふと疑問に思いました。

魚を切っているのに、「刺す」!?

「語源由来辞典」によると、「刺身」は室町時代から見られる語で、武家社会では「切る」という語を嫌っていたため、「切り身」ではなく「刺身」という言葉が使われるようになったとのこと。

なるほど、そういうことか〜。

刺身のことを「お造り」とも呼びますが、これは主に関西での呼び方なんですね。そういえば、和歌山の実家ではよく聞きましたが、東京にいたときはあまり耳にしなかったような。

「違いがわかる事典」によると、西の方では魚を切ることを「作る」と言うところから、接頭語の「御」がついて「お造り(おつくり)」と呼ばれようになったそうです。

ちなみに、カツオのたたきなどの「たたき」は、魚を焼いて刺身にしてから、塩やたれを「叩き」ながら振って味をなじませることから、こう呼ばれるようになったそうです。

小さい頃から当たり前のように使っている言葉って、改めてその語源を考えることはありまりないですが、ふと気になることがあります。たとえば、文章を書いていて、同じことを言い表すのに二つの表現が浮かんだとき、語感に加えて語源を考えることによって、より適切な方を選ぶことがあります。

語源を調べるのは、大昔に生きていた人たちの暮らしや考え方を知ることにもなり、昔の人々と対話しているようで面白いです。


【関連書籍】


この言葉の語源を言えますか?―当然のように知っておきたい日本語 (KAWADE夢文庫)



日本語の語源を学ぶ人のために(吉田 金彦 編)



日本語の語源(佐藤 武義)