「好きなこと」を仕事にしやすい世の中をつくっていきたい。

好きなことを仕事にしている人たちへのインタビュー集
atelier makotomoサイトで製作・販売しています

先日、本屋で試し読みできるイスに座ってイケダハヤトさんの「まだ東京で消耗してるの?」(*)を読んでいると、近くに座った女の子たちの会話が耳に入ってきました。

「勉強はだるいけど、大学には行きたい。この矛盾、どうしたらいいの」というような話しでした。(盗み聞きしていたわけではないですが、)どうやらその子は歌詞も書いていて、賞をもらったこともあるらしく、友だちが曲をつくってくれたら詞を書くよ、と話していました。

そんな特技があって、それなら好きで毎日何時間でもやっていられそうなのに、学校の勉強や受験で「消耗してる」のはもったいないなぁ、と思いました。

そもそも、なんで大学に行きたいのかというと、おそらくそのほうが「いい」仕事や「安定した」仕事に就けるといろんなところで教え込まれているからでしょう。

自分の好きなことを思う存分して、その能力を開花させ、他の人に喜んでもらえるような仕事をしていきやすい世の中になったらいいなぁと思います。

歌詞を書いたり、曲をつくったり、絵を描いたり、そういうことを仕事にしていけるのは、ごく一部の特別な才能のある人だけで、平凡な一般人は趣味の範囲にしておきなさい、というのが今の世間の「一般常識」でしょう。そういうのって、寂しいなぁと思います。

ぼくも随筆や小説を書いて自分で和綴じで製本して販売していますが、出版社から出しているわけでもなく、たくさん売れているわけでもないので、世間からは「趣味の領域」とみなされることでしょう。主な収入源としている翻訳の仕事と同じかそれ以上に力を入れて取り組んでいるとしても。なかには、作品の中身を見て判断してくれる人もいますが、世間一般の判断基準は、「どれくらいお金になっているか」なわけです。

そういう価値観を変えていきたいと思っていますが、その一方で、たしかに、今の世の中というのはお金を稼いでいかないと生きづらいようにできています。だから、もっと多くの人が自分の表現活動や作品によってお金を稼いでいきやすい世の中にしていきたいとも思っています。

最近では、ネット上でnoteが話題になっていますね。ぼくも早速登録して、いろんな方の作品も読ませてもらったところ、予想以上に面白い作品がたくさんあって驚きました。noteには自分のつくった作品を有料で販売する機能もあり、世間で名の知れていない人の作品でも、無料の作品を読んで面白いと思ってもらえたら買ってもらえることもあるようです。これだけですぐに生計を立てていくのは大変ですが、自分の作品を手軽に販売できる場所ができてきたのはうれしいことです。

ちないに、手製本のネット販売には、「BASE」という無料で簡単に始められるネットストアを利用しています。





販売手数料もそれほどかからず、手づくりのものをネットで気軽に販売したい方におすすめです。一からネットショッピングのサイトを自分でつくるとなると大変ですが、こういうサービスができてきたのはありがたいことです。自分の好きなことをして、それで生計も立てていくために役立つツールがいろいろ増えてきているように思います。

これからこういう流れがどんどん加速して、「自分の好きなことに打ち込んでいいんだ」「好きなことを追求していったらそれで生計を立てていけるかもしれない」と思える人がどんどん増えていったら、世の中もっと面白くなりそうです。

*「まだ東京で消耗してるの? 」はこちらの本です。

まだ東京で消耗してるの? 環境を変えるだけで人生はうまくいく (幻冬舎新書) イケダハヤト・著