このブログでは、「相方」のセリフがよく出てきます。「相方」とは何ものなのか、継続的に読んでくださっている方はおわかりだと思いますが、初めて読むかたは、「この人、漫才師?」と思うかもしれません。そんなわけないか!?
相方とは、かれこれ10年くらい一緒に暮らしてきたパートナーのことです。ちなみに女性です。
リアルの世界では、「結婚してるんですか?」とときどききかれますが、毎回どう答えようか困ってしまいます。そもそも、結婚とはなんぞや?
岩波国語辞典を引くと、
と書かれています。
ぼくらは、そういう法律行為は実行していません。
では、夫婦なのかというと・・・夫婦とはなんぞや?
再び岩波国語辞典を引くと、
「夫と妻」、そのままやん! 「結婚している一組の男女」・・・じゃあ、結婚ってなんぞや、ということで上に戻ったら、永遠ループやん!
何か、謎解きみたいになってきた。「夫」と「妻」の定義をしらべたら、謎はとけるか・・?
だんだん迷宮入りしてきました。配偶者とは?
またも永遠ループのパターン。新しくでてきたのは、「つれあい」という言葉。
ぼくはいっとき、相方のことを他人に話したり文章で書いたりするときに「連れ合い」という呼び名を使っていたこともありました。
これは岩波国語辞典の定義でも、最初に「つれそう相手」という言葉がきていて、これはしっくりきます。
しかし、話している相手に意味が伝わってなさそうなことが多く、ちょっと古くさい感じもして自分でもこそばゆいところがあり、あるときから、相方と相談して「相方」の呼び名に変えました。ちなみに「相方」を辞書で調べてみると・・・
ぼくと相方は、対等な立場でいることを大事にしているので、「相方」という言葉がしっくりきます。
学生の頃は、「彼氏」「彼女」などと言われることもありましたが(自分たちではそういう言葉は使いませんでしたが)、30を超えるとさすがにそういう言葉も似合わなくなりました。
ぼくらの関係を他人に説明するときは、「事実婚」という言葉を使うこともあります。籍は入れていませんが、実際には、結婚した者同士のような関係、という意味合いです。
それなら、「妻」「家内」「嫁」などでいいんじゃないかと思われる方もいるかもしれませんが、ぼくはこれらの言葉に強烈な違和感を感じています。
長くなりそうですが、一つずつ、検討していってみましょう。
「語源由来辞典」によると、
これは、女性は家にいるもの、という一昔前の話ですね。今は女性も外に出て働く時代で、時代遅れの言葉だけが残っています。ぼくは香川に来てからは外に出ることも増えましたが、東京にいたころは家の中にこもってばかりいたので、男ですが完全に「家内」でした。
次、いきましょう。
再び「語源由来辞典」によると、
「良女」「吉女」はあとからできたこじつけっぽい感じがしないでもありません。ほかは、ろくな語源がないですね。漢字を見ても、「家内」と同じく、「家」にいる「女」です。家にいるのが好きな女性の方もいるかもしれませんが、勝手に決めるな、という感じです。
という言い方もありますね。
日本語俗語辞典によると、
上下をつけるような表現は使いたくありません。山の神様、というのもしっくりこないので、これもアウトです。「家内」や「嫁」よりかはマシですが。
そんな、語源までさかのぼっても仕方ないんじゃないか、みんなそう呼んでるんだからそれでいいんじゃないか、と思われる方もいるかもしれませんが、自分がしっくりこない言葉はやっぱり使いたくないものです。それでしっくりくる方はそれでいいと思いますが。でも、上の語源を見ていたら嫌になってきた方もいるかもしれません・・・。
「妻」「家内」「嫁」「旦那」「夫」などという呼称を使いたくない場合、「パートナー」という呼び名を使う方もいますね。ぼくもときどき、若い世代の相手や、日本以外の文化に親しんでそうな相手には使います。ただ、相手によっては気取っている感じを与えることがあると思うので、「相方」と使い分けています。
「相方」も「パートナー」も使いにくい相手の場合、仕方なく「連れ」という言葉を使うこともあります。「連れ合い」のほうが対等な言葉ですが、これは伝わらないことが多いです。
こういう違和感を感じている人は少なくないようで、こうした議論は何十年も前から繰り広げられてきたそうです。
「嫁・主人」と呼んだら男女差別? いい呼び方ありませんか? - withnews(ウィズニュース)
とにかく、それぞれがよく考えて、相手の方とも相談して、一番しっくりくる言葉を使っていくのがいいと思います。
最近は、「相方」という呼称を使う方を見掛けることも増えてきました。「相方」という言葉がだんだん通じやすくなっていくのは助かります。
相方とは、かれこれ10年くらい一緒に暮らしてきたパートナーのことです。ちなみに女性です。
リアルの世界では、「結婚してるんですか?」とときどききかれますが、毎回どう答えようか困ってしまいます。そもそも、結婚とはなんぞや?
岩波国語辞典を引くと、
結婚:夫婦となること。特に、男女の間で夫婦関係を生じさせる法律行為。
と書かれています。
ぼくらは、そういう法律行為は実行していません。
では、夫婦なのかというと・・・夫婦とはなんぞや?
再び岩波国語辞典を引くと、
夫婦:夫と妻。結婚している一組の男女。
「夫と妻」、そのままやん! 「結婚している一組の男女」・・・じゃあ、結婚ってなんぞや、ということで上に戻ったら、永遠ループやん!
何か、謎解きみたいになってきた。「夫」と「妻」の定義をしらべたら、謎はとけるか・・?
夫:配偶者である男。
妻:配偶者である女。(…)元来は男女にかかわらず配偶者を指した。
だんだん迷宮入りしてきました。配偶者とは?
配偶者:結婚している相手。夫婦の一方。つれあい。
またも永遠ループのパターン。新しくでてきたのは、「つれあい」という言葉。
連れ合い:①つれそう相手。夫婦の一方。配偶者。②連れ(1)になった者。
ぼくはいっとき、相方のことを他人に話したり文章で書いたりするときに「連れ合い」という呼び名を使っていたこともありました。
これは岩波国語辞典の定義でも、最初に「つれそう相手」という言葉がきていて、これはしっくりきます。
しかし、話している相手に意味が伝わってなさそうなことが多く、ちょっと古くさい感じもして自分でもこそばゆいところがあり、あるときから、相方と相談して「相方」の呼び名に変えました。ちなみに「相方」を辞書で調べてみると・・・
相方:あいて。特に、(ア)遊客の相手の遊女。(イ)(演芸で)組む相棒。最初の定義が「あいて」、というのが、色がついていなくていいです。文字通りです。今の時代、「相方」と聞いて(ア)を思い浮かべる人はそうそういないでしょう。どちらかというと、(イ)の、特に漫才でいう「相方」が、なじみのある使い方でしょう。
ぼくと相方は、対等な立場でいることを大事にしているので、「相方」という言葉がしっくりきます。
学生の頃は、「彼氏」「彼女」などと言われることもありましたが(自分たちではそういう言葉は使いませんでしたが)、30を超えるとさすがにそういう言葉も似合わなくなりました。
ぼくらの関係を他人に説明するときは、「事実婚」という言葉を使うこともあります。籍は入れていませんが、実際には、結婚した者同士のような関係、という意味合いです。
それなら、「妻」「家内」「嫁」などでいいんじゃないかと思われる方もいるかもしれませんが、ぼくはこれらの言葉に強烈な違和感を感じています。
長くなりそうですが、一つずつ、検討していってみましょう。
「妻」
「語源由来辞典」によると、
妻の「つ」は粘り気のある意味の語根。妻の「ま」は「身(み)」の転で連れ添う夫婦の意味。もしくは、「つ」が「連(つら)」の語幹で、「連れ身(つれみ)」の略転。元来、「つま」は男女にかかわらず配偶者を指し、「夫」と書いて「つま」とも読まれる。やがて、男性から女性の配偶者または恋人を指す言葉となり、現代では主に夫が女性の配偶者を指すときの称として「妻」が用いられるようになった。「連れ身」というような概念がまず古くさい感じがしますね・・・たまたま今、お互いの希望が一致して一緒に暮らしていますが、そんな「粘り気」をもって道連れにしようとは思いません。昔は女性から男性を指す場合にも「つま」という言葉が使われていて、今よりも対等な言葉だったそうですが、どうして、男性が女性を指すときだけに使われるようになったのでしょう。男性は「連れて行く」、女性は「連れて行かれる」もの、という考え方があったのでしょう。ぼくらはそういう考え方をしていないので、この言葉は使いません。
「家内」
これは、女性は家にいるもの、という一昔前の話ですね。今は女性も外に出て働く時代で、時代遅れの言葉だけが残っています。ぼくは香川に来てからは外に出ることも増えましたが、東京にいたころは家の中にこもってばかりいたので、男ですが完全に「家内」でした。
次、いきましょう。
「嫁」
再び「語源由来辞典」によると、
嫁の語源は、息子の妻として迎えることから「呼女(よびめ)」の意味とする説。姑(しゅうとめ)に対し、嫁は弱い立場にあるため「弱女(よはめ)」の意味とする説。「良女(よきめ)」「吉女(よめ)」の意味とする説。夜の殿に仕える若い女の意味で、「夜女(よめ)」など諸説ある。上記の中では、「良女」「吉女」が有力とされるが根拠らしいものはなく、嫁いびりや男尊女卑の問題を避けるために有力な説にしたとの見方もあり、正確な語源は未詳。
「良女」「吉女」はあとからできたこじつけっぽい感じがしないでもありません。ほかは、ろくな語源がないですね。漢字を見ても、「家内」と同じく、「家」にいる「女」です。家にいるのが好きな女性の方もいるかもしれませんが、勝手に決めるな、という感じです。
「上さん(かみさん」
という言い方もありますね。
日本語俗語辞典によると、
かみさんとは自分の妻や他人の妻を指す。妻をかみさんと呼ぶ語源説には、江戸時代、将軍や天皇に対して使った『上様』からきたとするもの、山の神からきたとするものなど、多くの説が存在する。かみさんは主に親しい間柄との会話で対象となる妻に親しみを込めて使うことが多い。目上・世話になっている人の妻の場合、おかみさんともいう。
上下をつけるような表現は使いたくありません。山の神様、というのもしっくりこないので、これもアウトです。「家内」や「嫁」よりかはマシですが。
そんな、語源までさかのぼっても仕方ないんじゃないか、みんなそう呼んでるんだからそれでいいんじゃないか、と思われる方もいるかもしれませんが、自分がしっくりこない言葉はやっぱり使いたくないものです。それでしっくりくる方はそれでいいと思いますが。でも、上の語源を見ていたら嫌になってきた方もいるかもしれません・・・。
「妻」「家内」「嫁」「旦那」「夫」などという呼称を使いたくない場合、「パートナー」という呼び名を使う方もいますね。ぼくもときどき、若い世代の相手や、日本以外の文化に親しんでそうな相手には使います。ただ、相手によっては気取っている感じを与えることがあると思うので、「相方」と使い分けています。
「相方」も「パートナー」も使いにくい相手の場合、仕方なく「連れ」という言葉を使うこともあります。「連れ合い」のほうが対等な言葉ですが、これは伝わらないことが多いです。
こういう違和感を感じている人は少なくないようで、こうした議論は何十年も前から繰り広げられてきたそうです。
「嫁・主人」と呼んだら男女差別? いい呼び方ありませんか? - withnews(ウィズニュース)
とにかく、それぞれがよく考えて、相手の方とも相談して、一番しっくりくる言葉を使っていくのがいいと思います。
最近は、「相方」という呼称を使う方を見掛けることも増えてきました。「相方」という言葉がだんだん通じやすくなっていくのは助かります。